今朝はイタリア共和国です。

北西部に位置するピエモンテ州、トリノ郊外の都市「イヴレーア」。毎年2月、この街で行われるのが、「オレンジの戦い(La Battaglia delle Arance)」と呼ばれるお祭りです。

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その昔の、貴族に対する農民の反乱が起源と言われていて、馬車に乗りプロテクターをまとった1000人ほどの貴族軍の役と9つのチームに分かれた4000人ほどの農民軍が敵味方に分かれます。通りで待ち構える地元の農民軍は、貴族軍が町に入ると一斉に手にしたオレンジを馬車めがけて投げつけます。これに応戦してお互いにオレンジを投げ合うのがこのお祭り。

まるで中世の戦いのようですが、立ち込めるオレンジの香りが、小さな町の通りに充満し、熱気が最高潮に達します。使うのはシチリア産のオレンジで、何と400トンがこの日のために用意されるのだとか。会場一帯には高いネットが張り巡らされているので、外側から見学できるのですが、あまりの盛り上がりに住民たちにまぎれて、オレンジを投げる見物客も多いようです。

●トリノ発祥のチョコレートは「ジャンドゥーヤ」です。

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1800年代、トリノのチョコレート専門店「カファレル」が売り出して有名になったのが「ジャンドゥーヤ」。

ヘーゼルナッツやアーモンドなどのナッツを軽く焙煎して、砂糖を加えて細かくすりつぶしてペーストに、それをチョコレートに加えて練り上げたものです。銀紙に包まれた一口サイズの「ジャンドゥーヤ」をほおばると、香ばしいナッツの香りが口いっぱいにひろがります。

●そしてもう1つ、トリノが発祥の飲み物が「ビチェリン」。

グラスの下から順番に、ホットチョコレート、エスプレッソ、生クリームを注いで、3つの層になった暖かい飲み物です。イタリアの朝は「バール」という立ち飲みのカフェで軽く済ませるのがポピュラーですが、寒い朝には「ビチェリン」がぴったり。スプーンでかきまぜないで、それぞれを味わいながらいただきましょう。