今朝は広島県の呉市です。広島県の南西部、瀬戸内海に面した街です。明治時代から昭和初期までは重要な海軍の基地として栄えました。今でも造船所やドックなど、当時の雰囲気を伝える建造物が数多く残っています。平地が少なく、山がすぐ近くまで迫っているため、呉市の高台からは、瀬戸内海に浮かぶ島々と、対岸の愛媛県までを見下ろすことができます。

このあたりの海域「安芸灘」を航行する船は、点在する島々の間の狭い場所を通らなければならず、その昔から「海の関所」として重要な場所とされていました。今は呉市の「安芸灘大橋」から、愛媛県の岡村島までの7つの島、30kmあまりが橋で結ばれ、「安芸灘とびしま海道」として特にサイクリングを楽しむ人たちに人気の場所となっています。

●安芸灘の旬の魚は「小いわし」です。

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​地元で「小イワシ」という名前で親しまれているのが「カタクチイワシ」。安芸灘を中心とした瀬戸内海が主な漁場で、毎年6月に漁が解禁されます。広島県内の漁獲量のうち、およそ7割にもなるという「小イワシ」は豊富な餌に恵まれて身の部分が大きく育つのが特徴。

安く手に入ることもあって6月になると広島県の食卓に並びます。塩茹でして乾燥させた「いりこ(煮干し)」は出汁を取るための必需品。稚魚(シラス)を加工した「ちりめん」もまたごはんには欠かせません。特に新鮮な「小イワシ」は、氷水で丁寧に洗って、ウロコを落とし、お刺身にして食べるのが地元ならではの食べ方だとか。

市場のセリに合わせて水揚げされたばかりで獲れたての「小イワシ」。醤油とおろしショウガと一緒にお刺身で、どうぞ。