今朝は埼玉県の加須市です。市内を流れる利根川の河川敷で、毎年5月3日に行われる「加須市民平和祭」。このイベントは、「ジャンボこいのぼり」の空中遊泳で知られています。

端午の節句に向けて、家庭で飾られてきた「こいのぼり」。実は、加須市は「こいのぼり」の日本有数の生産地。「ジャンボこいのぼり」はそのイベントに合わせて制作されました。全長100メートルで、重さ330キロ。口の大きさでも直径10メートルもあります。この巨大な「こいのぼり」を、クレーンを使って、風向きなどを確かめながら、大空に泳ぐように、ゆっくりと高い場所にあげていきます。2006年のサッカーワールドカップ・ドイツ大会では日本代表 初戦の地、カイザースラウテルンの空を、加須の「ジャンボこいのぼり」が泳ぎました。

●埼玉県北部は「小麦粉」の産地です。

この地域では、古くから利根川の水源を生かした農業用地の整備がすすみ、米のシーズンが終わった後に裏作として麦を生産する二毛作が盛んとなりました。江戸時代、農民はお米を年貢として提出し、家庭では麦飯を食べるのが一般的でした。そこでご馳走となったのが郷土料理の「加須うどん」。江戸時代中期以降、お寺の門前や利根川の渡し舟乗り場に「加須うどん」を出す店ができ、名物となりました。その特徴は、時間をかけて麺のコシの強さを出す手打ちで、季節によって太さや、茹でるお湯の塩分を調節。「のど越し」のよさを出すことに神経を集中させます。

今も市内に40軒以上の「加須うどん」の店があり、それぞれのレシピでその味を競います。茹でた麺を冷たい水で一度締めた「うどん」を「もりうどん」にして、つゆにつけていただきましょう。ネギなどの薬味と一緒にどうぞ。