今朝は大分県臼杵市、です。人口およそ3万7千人と小さな街ですが、「住みたい田舎ランキング」で上位に入る人気の土地。平安時代末期から鎌倉時代に作られた石造物が数多く残り、崖の岩に彫刻を施した大日如来像に代表される石仏など61体が国宝に指定されています。またキリシタン大名としても有名な大友宗麟が築いた臼杵城の城下町として栄えました。ポルトガルとの交易が盛んだったことから、南蛮文化や、キリシタン文化の歴史も感じることでき、神社仏閣や武家屋敷など、江戸時代初期の町並みが、今もそのまま残っていて、全国から観光客が訪れます。

●臼杵市の郷土料理は「きらすまめし」です。

その昔の臼杵藩は深刻な財政難に陥ることが多く、特に江戸時代末期の「天保の大飢饉」の後には、倹約令が出され、食ベ物にも細かい規制がありました。そんな中で生まれたのが郷土料理の「きらすまめし」。値段が安いおからで、食材をかさ増しした料理です。この地方の方言でおからを意味する「きらす」と、まぶすこと、「まぶし」を意味する「まめし」が名前の由来だとか。魚をおろした後の中落ちや、刺身の切れ端に、おからをまぶして食べるというスタイルの節約料理でした。現在一般的なのはブリやアジなどの魚の切り身を、醤油や三杯酢などのタレに漬け込み、おからをあわせ、さらに刻んだ薬味をかけるというもの。朝には簡単なおかずの一品として、大分特産のカボスを絞っていただきましょう。温かい炊きたてのごはんの上にのせてどうぞ。