今朝は大阪府大阪市です。豊臣秀吉が大坂城を築いた当時、家臣や武士たちが集まり、武器だけでなく食料、生活用品にいたるまでを調達するため、近隣の堺、伏見などから商人を移住させました。「船場」と呼ばれるこの地域を中心に、船宿、料亭、呉服屋、両替商などが軒を連ね、江戸時代には、経済、流通の中心地として栄えます。南北およそ2キロメートル、東西およそ1キロメートルの「船場」は明治以降も近代化の中心地として発展。関東大震災や空襲で被害を受けた東京とはちがって、独自の文化が受け継がれていきました。
「にぎり」ではないのが特徴の「大阪寿司」
大阪の伝統的な「大阪寿司」は「押し寿司」という種類。酢飯の上に酢締めにした鯖を乗せ、透き通るほど薄い昆布を重ね、四角い木の枠につめて圧力をかけた「バッテラ」が代表的なもの。具材として、焼き穴子、小鯛、海老、厚焼き玉子などを使うなど大阪の「大阪寿司」のバリエーションは豊富です。北前船で大阪に集まっていた北海道産の昆布で巻いた「鯖の棒寿司」などもまたポピュラーです。「大阪寿司」のルーツは「船場」の寿司店にあるとされていて、酢で締めたネタは生臭みが抑えられ、昆布の旨みとのハーモニーが味わえ、保存性にすぐれています。冷めてもおいしいので、時間のない朝には、「押し寿司」をつまんでお腹を満たすということもあるようです。熱い緑茶と一緒にどうぞ。