近年、アメリカを中心に世界的に注目を集めているシティポップですが、SNSやYouTubeによって、日本の音楽が海の向こうで見直される現象がまた起きているようです。最近、国内外で再評価の兆しが見られるというのが、ジャパニーズ・フュージョン!かつて1970年代後半、ジャズ、ロック、ラテンといった様々なジャンルの音楽をミックスした「最先端の音楽」と言われたフュージョンですが、今、アメリカでそのレコードが次々と売れているそうなんです。

そこで今朝は、アメリカの音楽事情にフォーカス。なぜ今、海外の若い世代にジャパニーズ・フュージョンが支持されているのかニューヨーク・ブルックリンのアナログレコード専門店Face Records NYC店 店長の間宮祐一さんにお話を伺いました。

20250919f01.jpg

Face Records NYC店は、アナログレコードの専門店ということですが、どのような場所にあるお店でしょうか?

東京で言うと代官山とか、渋谷からちょっと離れたような、そういう雰囲気のところですね。

*お客さんはどのような方が多いのでしょうか?

やっぱり若い、10代から30代のお客さんが多いです。

*7周年ということですが、以前と比べてお客さんの世代や雰囲気は変わっていますか?

そうですね。やっぱりシティポップブームが始まってから、若いお客さんがすごい増えましたね。

品揃えはどういうジャンルを扱われているんですか?

一応オールジャンル扱ってまして、ロックの日本版とジャズの日本版、あとは日本のシティポップ。ジャズ、ロック、日本でプレスされたレコードを専門として取り扱ってます。

*日本でプレスされたレコードというのは、アメリカ人の消費者、特に若い人たちにとってどういう意味合いで捉えられているんですか?

やっぱりシティポップとか日本のフュージョンが人気が出ていることもあるんですけど、そういうのがアメリカでリリースされたレコードがあまりない。あと状態が20~30年前のものでも綺麗なので、新品同様ということで、それでやっぱり皆さん買って行かれます。

*最近話題のシティポップですが、今。フュージョンというジャンルにアメリカの消費者、特に若い皆さんが注目されているのはどういう現象なんでしょうか?

やっぱりSNSの影響があるのと、日本のフュージョンってやっぱり明るい感じがすごいするんですよね、聞いてて。であとはちょっとブラジリアンな、サンバとかそういうのが多くて、やっぱアメリカにはちょっとないタイプのフュージョンがやっぱり人気があるんだと思いますね。

*どういうアーティストが人気なんですか?

やっぱり高中正義さんとか、あとはカシオペアとかがもう本当に人気で、それ以外だとスクエアとか、あとは渡辺香津美さんとか、ソロのアーティストの方もすごい人気があります。

*いつ頃から始まって、どんなきっかけがあったんでしょう?

火がついたのはやっぱり去年、一昨年ぐらいからだと思いますね。でやっぱりSNSで高中さんがサーフボードにギターが組み込まれたギターを演奏されてるんですけど、それがルックス的にも、ビジュアル的にもバズって、アメリカでも見たことないので、それでもう盛り上がって。高中さんもカリフォルニアでもうショーをやられてるんで、また今年、もう1回やる予定みたいですけど、それぐらいもうアイコン化されてますね。

*そういうレコードを探しにくる若い世代の皆さんは、どんな風に捉えていらっしゃるんでしょう?

まあ本当に乗れるような音楽で、ハッピーなコードが多用されて。どっちかというと、アメリカのフュージョンで人気があるもの、グローバー・ワシントン・ジュニアとかは、少しマイナーコードだったりとか、ちょっと湿っぽい感じがあるじゃないですか。日本のっていうのは爆明るいので、やっぱり若者がそれを好んでいるんじゃないかなと。やっぱり聞いたことがない音楽っていうので。

*おいくらぐらいするものなんですか?

ニューヨークはやっぱ物価が高いので、だいたい日本の倍ぐらいの価格で取引されてます。安いので30ドルぐらいから、高いので200ドルとか。

*200ドルですと3万円近いですね。そうなると年齢層が上がってくる、例えば普段ジャズ聴いてるんだけど、これもいいよねっていう40代、50代の方もいらっしゃるんですか?

これがまた不思議で、その40代、50代とかの方っていうのは全く買っていかないというか。また別のシティポップ、細野晴臣さんとか、そういうまた違ったシティポップを買われる方は多いですけど、フュージョンはだいたい30代ぐらいまでですね。

*お客様は遠いところからもいらっしゃるんですか?

うちもインスタグラムには力を入れているので、それでやっぱお客様が全米から来ていただけます。テキサスから、カリフォルニア、あとはヨーロッパからも来られますし、メキシコ、南米からも来られますし、あとハワイから。やっぱりニューヨークっていう街だと旅行で色々な方がいらっしゃるので、それでついでに寄っていただくことが出来てます。

*最後になりますけれども、間宮さん、例えば「フュージョンよく知らないんだけど何から買えばいいの?」っていうお客さんには、まず何をおすすめしますか?

高中正義の『オール・オブ・ミー』!あとは高中正義の『ブラジリアン・スカイズ』、そして一番に『セーシェル』ですね。これがやっぱ一番人気あります。

アメリカにおけるジャパニーズフュージョン人気、40代50代ではなく、完全に30代以下の若者、というのも面白いところSNSの力で、高中正義さんがアイコン化されている現象が起きているようです。

時代を超え、海を越えて愛される日本の音楽、世代としては、嬉しいところ・・・リスナーの皆さんの中にも、シティポップやフュージョンがお好きな方もいらっしゃるかもしれませんが、ご自身の中でリバイバルブームが来ているもの、ありますか?ぜひ、Xやメッセージで教えてください。