今年は、暑さが厳しく、体への負担も大きかった夏ですが、その疲れが出てくる頃ですよね、皆さん、体調崩されていませんか?そして、今後、更なる高齢化に伴い、注目を集めるのが予防医療ですが、人間ドックや健康診断、検診、受けられていますでしょうか?
実際に、日本人の死因で最も多いとされているのが、「がん」。全死因のおよそ4分の1を占めると言われ、男性では、およそ2人に1人、女性の3人に1人が生涯のうちにがんにかかる可能性があるというデータも出ています。そこで、今朝は、「がん」の最新検知技術にフォーカス。

アメリカのスタートアップSpotitEarlyと繋いで、CEOのShlomi Madar博士にお話を伺いました。犬の嗅覚とAIの技術を組み合わせ、がんの検知を行うというSpotitEarlyの技術。
犬が がんを嗅ぎ分けることができる、と言う研究は、2000年代から報告されているんですが、まずは、その特技を活かして、実際に検査法として、臨床試験も行われているというスクリーニングの技法について、説明していただきました。
一体どんなシステムなんでしょう?
私たちのスクリーニングでは、2つのAIを合わせて活用しています。
一つは、「動物知能(Animal Intelligence)」と呼んでいるんですが、基本的に、犬が持つ素晴らしい嗅覚のことを指します。
犬たちは、3億個もの嗅覚受容体という、様々な匂いを取り込むことができるハードウエアのような機能と、ソフトウェアとも呼べる「嗅球」と呼ばれるものが前頭葉にあるんですが、これによって信号とノイズを見分けることができるんです。
私たちの技術において、非常に重要な、この「動物知能」は、人工的などんな技術より高い感度を誇っています。どんなデバイスも、犬たちの嗅覚にはかなわないんです。
ですが、それだけでは十分ではないので、私たちは第二のAI、つまり人工知能と組み合わせることで、犬の生理的・行動的信号の全ての側面をモニターして、犬の尾の振り方や動作、顔の表情もなどを追跡しています。こうした莫大な情報を組み合わせることで、犬が本当に何を意味しているかを理解することができ、この両方のAIの組み合わせによってさらに感度を素晴らしく上げることができているんです。
現状94%程度の感度を実現できています。
犬の嗅覚を活用するこのガン検知システムですが、実際の犬を使うということなのでしょうか?適している犬種、また検知できるガンの種類についても伺いました。
犬の嗅覚はリアルで、素晴らしい感度なので、実際の犬に活躍してもらっていますよ。特にビーグル犬を採用しています。というのも、この作業に最も適しているからです。
そして、現時点では、4つの主要ながんに焦点を当ています。肺がん、乳がん、大腸がん、前立腺がんです。ですが、実際のところ、もっと多くの種類を検出することができると思っています。犬たちの嗅覚の可能性はもっと広いので、今後さらに多くのがんを追加していくことができると思っています。
犬がガンを嗅ぎ分ける、という研究・・・実は2000年台から、行われてきたそうなんですが、こちらのシステムは、これまでのものとどう違うのか、教えていただきました。
2000年代の初めから中頃、実際にそういった研究が行われてきたんですが、私たちが他と違うのは、テクノロジーを導入したという点だと思います。AIと組み合わせることで、それまでは、現実味がなかったこのシステムを開発することができたわけです。
さらに、この5年間で、より多くのガンを検知することができるようになりました。
それもそれぞれのガンによって新たなシステムを開発する必要がなく、領域を広げる形で増やすことができるんです。
基本的に、このシステムは、犬の行動をモニターすることで、嗅覚だけに頼るものではありません。その組み合わせで感度を上げるだけでなく、「再現可能なシステム」であることが重要なんです。
では、このシステムの肝でもある犬たち。どんなトレーニングを受けるんでしょう?
まず第一に、どんな犬でもいいわけではなく、こういった特定のタスクに長けた犬種である「探知犬」と呼ばれる犬たちを採用しています。
そういった犬種の犬たちにテストを行い、特にガンの匂いに敏感な犬たちを選びだすわけです。そのテストに合格した犬たちを4~6か月間、訓練して行くわけです。
通常、3~4頭の犬で1つのチームとなって働いてもらうんですが、研究所には、15~20頭の犬がいて、年間100万件の検査を処理しています。
これは、一般的な血液検査などを行う通常の検査機関をはるかに上回るペースなんです。
このノウハウを使えば、研究所を1年以内に開設することができ、世界中で展開できると思っています。まずは、アメリカからスタートしましたが、今後、間違いなく世界的に、そして東アジア市場にも展開できたらと思っています。
そんな大活躍の犬たちですが、犬たちはどう扱われているのでしょうか?ちゃんとケアしてもらえているんでしょうか?
それは、大丈夫ですよ。社員は、皆、犬好きで、入社の前提条件にもなっているぐらいですから。私も、イタリアン・グレイハウンドを飼っていますが、ラボでも楽しそうにしてます。
ラボでは、広々とした犬舎で、犬たちは、1日平均2~4時間働く生活で、働かせすぎてもいませんし、皆、家族であり、チームの一員として接していますよ。
実際に、犬たちは、警察犬や麻薬や爆発物を嗅ぎ分けたり、あるいは衣服の匂いから行方不明者を探し出したりと、様々な場面で活躍していますよね。
そんな犬の潜在能力は誰もが知っているところ。私たちは、それを科学、つまり信頼できるものに変えようと努力しているわけです。そして、実際に結果を出しています。
ガンはほんの始まりに過ぎません。彼らがどんな種類の病気の匂いを嗅ぎ分けることができるのか、その可能性は無限大。ですから、このテクノロジーが他の医療分野にも広がっていければと思っています。
犬の嗅覚とAIの技術を組み合わせ、がんの検知を行うという新たな技術を開発するスタートアップSpotitEarly、CEOのShiomi Madar博士にお話を伺いました。
こちら簡単なフェイスマスクキットで、呼気のサンプルを収集できると言うことで、手軽に検査できる点も評価が高いようです。がん検診の新たな道を切り開くことになるかもしれないこの技術、世界展開が待ち遠しいところ。
皆さんも、日々健康で気をつけていること、心がけていることなど、ありますか?ぜひ、メッセージ、そしてXでお寄せください。