7月20日には参議院選挙(第27回参議院議員通常選挙)も予定されていますが、皆さん、政治への関心、どれくらいお持ちですか?日本の政治をわかりやすく可視化するツールとして注目を集めているのが、『KOKKAI DOC』。
国会議員の発言をAI分析するというツールなんですが、実は開発したのは、この6月まで、カナダのトロント大学で学んでいた、一人の日本人留学生なんです。今日は、このKOKKAI DOCについて、開発者の加藤賢さんに、お話を伺いました。
*加藤さんがお一人で開発されたKOKKAI DOCまずは、KOKKAI DOCの基本的な機能について、教えていただけますか?
主にあの私が運営しているサービスでは、国会議員の国会での発言というものがありますが、これから推定される政治家のスタンスの可視化で定量評価ということを行っていまして、国会の発言の実際の閲覧であったり、選挙区データの可視化であったり、あと国会議員の法案に対する投票行動の可視化など、政治をもっと見える化しようよっていうウェブサイトを運営しています。
*発言を分析するっていうことなんですがどういうところからデータマイニングしてどういう分析でこういう分類ができるようになるんですか?
データを集めるというところは日本政府が公開しているサービスというものがありまして議員の名前とキーワードを使ってその議員の発言をいっぱい拾ってくるっていうことはできるようになっていますただ、このサービスの中でも特に議会の発言は結構ノイズが含まれていますので、そこから意見文だけを持ってきて表示するっていうことをしています。
*ユーザーがこのサービスを利用することで、どのようなメリットがあるのでしょうか?
今度、参議院選挙がありますけど、そこでやはり自分の選挙区から出馬している政治家が過去にどんな事を言っていたかいうことが、ある程度直感的にわかる。その情報をもとに有権者が政治的判断をできるようになるというところが狙いではあります。
*KOKKAI DOCを立ち上げられたきっかけは?
自分がドイツで育ってそこからカナダの大学に進学をして、コロナになったんですね。その際にやはりそのドイツ政府と日本政府の施策というものを自然と比較するようになって、今の民主主義において、国会や議会の中で誰が何を言っているのか、どんなスタンスを持っているのか、というのが、あまりつかみどころがないな、分かりにくいな、と言うところがありまして、有権者の人が政治を理解する上で閲覧できるワンストップのツールを作りたかったということがあの立ち上げの経緯です。
*実際にドイツと日本の違いというと?
有権者の投票意識や政治的意識の差というのは、ドイツと日本を比較すると感じるところもあります。例えば日本の20代の投票率は34%ぐらいなんですが、ドイツは70%ぐらい、スウェーデンに関しては80%ぐらいであると言うので、やはり今の現役世代が直面しているいろんな問題がある上で、その現役世代が実際に選挙に行っていない、その政策が現役世代に向けてのものを訴えている党は、なかなか議席数を伸ばすことができないという問題があるかと思います。
*政治家や政党の「前向き・後ろ向き」など、どのような基準で判定しているのでしょうか?
まず、前置いておきたいのが、これはあくまでも参考として見て欲しいということですね。ある程度妥当性はあるんですが、これを鵜呑みにして欲しいわけではなくて、あくまで参考として活用して欲しい。そして、実際どうやっているかと言うと、今の言語モデル例えばChat gptとかが結構有名だと思いますけれども、世界の中での言語モデルが実際の言語の中の意味を学習するんですね。いろんなデータを見ていく上ででその上でその文章をベクトル化するっていうことができるようになります。つまり数値化するということができるようになります。例えば「日本人の女性」という単語を数値化する、それで、「日本人の男性」と言う単語・文章を数値化する。そういったベクトル化するということができるようになっています。そこで、例えば防衛予算の増額に前向きな政治家が言うであろう発言というものを生成し、逆に防衛予算の増額に後ろ向きな政治家が言うであろう文章を生成します。この二つのを軸にほかの政治家が言ったことをそれに対して比較して、どれくらい前向きか後ろ向きかと言うことを計算しています。
*有権者が政治家の発言を簡単に可視化できるというこの仕組み・・・このサイト開発への思いとは?どのような社会的変化を促したいと思っていますか?
はいそうですね、今の民主主義、これは日本に限らず全世界で民主主義の問題というのはやはりすべて有権者の投票行動が必ずしも事実に基づいてなかったり、必ずしも政治家本人が言ったことに基づいてなかったりしていて、なんとなくで投票してしまっていたり、メディアの必ずしも正しくないメディアの情報を元に、先入観で投票してしまうっていう事情が世界各地で今起きていると思います。ですので、実際に何を言ったか、それをもとに実際にどんなスタンスを持っているのか、と言うことをしっかりエビデンスベースに話すことができるようになって有権者の投票行動っていうものがしっかり裏付けがあるものになっていくのが今後大事になっていくかなと思っていて、そういう思いもあって、こういった取り組みをしています。
日本の政治をわかりやすく可視化するツール、『KOKKAI DOC』について、開発者の加藤賢さんにお話を伺いました。
今週も、国会議員の失言が問題となっていますが、 実際に、それぞれの議員の発言を詳しくチェックしたこと、なかったのでは?参院選の投票の前に、ぜひKOKKAI DOC、チェックしてみてはいかがでしょうか?
また、皆さんが政策にまつわる情報を得ているメディアや投票の際に参考にされている情報源、ありましたら、是非、Xやメッセージで、教えてください。