今週月曜日は成人の日でしたが、大人への一歩を踏み出して、これからの目標や計画を考えた方、また、それ以外の方も、今年の手帳に目標や抱負を書き出した方、たくさんいらっしゃるのではないでしょうか?アファメーションと呼ばれる自分への宣言を書いたり、目標達成へのプロセスを書き出したりする手帳やノートが数多く発売されているようですが、今日、注目するのは、アメリカを中心にTikTokで話題となり、大ブームを巻き起こしたという書き込み式書籍「シャドウワーク・ジャーナル」です。

アメリカでは100万部を超えるベストセラーとなり、日本を含む27カ国での刊行が予定されているというこのジャーナル。今朝は、その翻訳を担当された、鏡リュウジさんに事前にお話を伺います。
鏡さんが翻訳された、この「シャドウワーク・ジャーナル」、TikTokから人気が出たものということですが、まずは、この「シャドウワーク」とは?
心理学者のユングの「シャドー」という概念を下敷きにしていて、これは正に「影」なんですけど誰の心の中にもある、「まだ自分が生きてこれなかった自分」や「抑圧している自分」、もしくは、もう一人の陰になってる自分と向き合う作業のことをシャドウワークと呼んでいるんです。普通でしたら、セラピストの方と一緒に作業するんですが、これはセルフワークとでも言いましょうか、本の中にいろんな質問があって、今の不安を感じていることだったり、人、場所、状況などを全部書き出してみる。ポイントは吐き出ということなんです。
もともと、Z世代などの間で「ジャーナリング」と呼ばれる、日記のような、書き出す作業が人気となっていて、これも、そのジャーナリングの一つです。
なぜ、今、こういったジャーナリングが話題に?
日本で若い世代の方に聞いてみたところ、一つコロナが大きかったという意見があります。あの頃の人と会えなかった数年間で、大学生などは、縦の人間関係が作れなかった。そして、どんな風に自分と向き合っていいか分からないという悩みがあって、それを自分でやってみようという気持ちになる方が多かったようです。
この本は、半分が実践する方法、そして半分が書き込み式となっていますが、どんな使い方をすると効果的なのでしょうか?鏡さんが思うこの本の魅力、おすすめのポイントとは?
全部をいっぺんにやろうとしないことがポイントかと思います。自分の心と向き合うという行動は、質問はシンプルなんですが、実際にやってみるとなかなかしんどい。自分の心に正直に向き合うのは、思ってる以上に勇気がいるというか、恥ずかしい感情が出てきちゃったり、逆に入り込みすぎちゃって暗くなりすぎちゃったり・・・なので、時間をかけて丁寧にやっていくのがおすすめです。
昨今、「アファメーション」や自己啓発本などが人気ですが、そういった本との違いは?
これは、成功するためのステップみたいなことは全然出てこないんです。過去のことばかりに向いてるんです。自己啓発の本は、どこか明るくポジティブでならなければいけない感じがありますが、人生、落ち込むことも大事だし悲しいことや辛いことを抱きしめるというか、自分の中のシャドウをもう一回大事にするというのも良いのではないかと思います。
そして、例えば、昔の錬金術は、鉛など、貴重ではない金属を価値あるものに変えていく作業でしたし、日本だと金継ぎなどが、傷ついたり壊れたりしてるものを継いでいくことで、かえってそれが価値のあるプラスのものに変わっていく。だから自分の中の傷や見たくなかった自分の要素は、実はもっと価値のあるものになるための材料になるんじゃないかな、という気がしています。
アメリカで大ブームを巻き起こしたという書き込み式書籍「シャドウワーク・ジャーナル」について、ご紹介しました。
ちなみに、占星術研究家として、星の動きから見ると、これから土星と海王星が接近すると、理想と現実のせめぎ合いが起こる、と読めるそうで、現実を見つるためにも、このシャドウワークは、これからの時代にぴったりなんだそうです。
鏡さんが翻訳された「シャドウワーク・ジャーナル "本当のあなた"になるためのガイド」はすばる舎より、発売となります。現在予約受付中。ぜひチェックしてみてください。