食材培養やフードプリンティングなど、様々な未来の食の形、ご紹介していますが、今日、取り上げるのは、調味に特化した新ジャンルのキッチン家電。その名も、調味料プリンター「colony」です。

高級フレンチの一皿を、数百円というお値段で実現できたり、世界中で本格和食の一品を味わえたり、飲食店のメニューが開発費をかけず、数十倍に増えたり・・・そんな、無限の可能性が増えるという調味料プリンター。
今日は、こちらの開発を行なっている株式会社ルナロボティクスの岡田拓治さんにお話を伺いました。
岡田さんが代表を務める「ルナロボティクス」・・・非常に近未来を感じるお名前ですが、どんな会社なんでしょうか?
社名にあるように「ルナ」月面とロボット、月面や火星などの極地とされるような場所での食体験を拡張するロボットやキッチン家電を作る会社になっています。
そして、ルナロボティクスが開発されたのが、調味料プリンター「colony」。調味料プリンターとは?
料理といえば、ざっくり火加減と味付けが要素なんですが、トースター、炊飯器、電子レンジと、これまでは、すべて火加減に関する家電だったんですね。
味付けの家電というのはなかったんです。僕はもともと料理人で、その料理人の視点で作った世界初の味付けのキッチン家電で、プリンター中でインクの代わりに調味料をセットしてボタン一つで味付けだけを射出する、食材にかけるというもの。30cm四方のボックス型で、そこにお皿やカップをおけばセットしてある調味料をプログラムによって自動調節されて出てくるという仕組みです。
*どんなことが可能になるのでしょうか?
作れるものに制限があるんですが、選択肢は無限にあります。例えば中国料理だったりすると、基本の味付は、6種類の調味料でできているので、その調味料で100のバリエーションができると。他にも卵かけご飯(TKG)でしたら、かける醤油だけでも3万パターンできるんです。
一応将来的にはあのミールキットを掛け合わせるというのを想定していて、食材にあらかじめデータセットをすれば、フレンチに限らずお母さんとかおばあちゃんの味をセットすることもできますので、世界中のどこからでもそれが登録できて、世界中どこにでもそのデータを販売できるし、送信もできるという物になります。
そして、現在開発中の「タクト」とは?
スポイトに調味料を入れたもの、拳銃のレボルバーのような形状にスポットを突っ込んでその横の窓から押すと出てくるというシンプルなもの。キャンプでバーベキューをするとかそういう時に5、6種類の調味料を入れておけば、片手でスマートに味付けを楽しめるというもの。軽量なので、宇宙にも持って行きやすいですし、例えば宇宙食などで、マッシュポテトばかりで飽きてしまう、という時にも味変できたり、中華料理、日本料理といろいろな味付けができて、宇宙飛行士さんの間でもコミュニケーションになるんじゃないかと考えています。
新たなキッチン家電の形、調味料プリンターColonyについて取り上げました。材料は用意する必要がありますが、味付けに特化した調味料プリンター。コロニーとロボットアームを組み合わせた、調理ロボットの試作なども進められているそうですが、離れた場所で同じ食体験ができたりと、無限の可能性が広がります。