日本時間、今週月曜日午前に、ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催された第96回アカデミー賞授賞式。私は、案内役として、WOWOWの独占生中継をお届けいたしましたが、

主要部門の受賞は・・・

  • 作品賞:オッペンハイマー
  • 監督賞:クリストファー・ノーラン(オッペンハイマー)
  • 主演男優賞:キリアン・マーフィー(オッペンハイマー)
  • 主演女優賞:エマ・ストーン(哀れなるものたち)

となりました。この時間は、ロサンゼルス在住のジャーナリスト、町田雪さんと一緒に、今回の結果や実際のハリウッドの反応など、振り返りたいと思います。

JK スター勢揃いで非常に豪華なオスカーとなりました。そちらでの盛り上がりはいかがでしたか?(今回は、主要部門の発表の際、5人のプレゼンターが登壇する「Fab Five」スタイルが15年ぶりに復活!こちらも一つの特徴でした!)

司会進行もスムーズ、ジョークも優しめで、映画へのリスペクトに溢れたいい式だったと思います。5人のプレゼンター登場スタイルは、先輩・後輩・同僚俳優から語りかけられたノミニーたちが感無量の表情を見せているのが印象的でした。毎年、また監督などの部門でも、このスタイルをとってほしいぐらいです。

JK 町田さんが感じられた今年のオスカーの特徴は?

長いストがあり、ハリウッド中が大変な年ではあったものの、素晴らしい作品が出揃った年。レベルが高かった年。

予想から、オッペンハイマーが独走していたので、受賞は当たり前として、何部門取るかに注目が集まっていた。結果、13ノミネーション7受賞となりましたが、主要賞はしっかりおさえました。逃した賞が他の良作に贈られたことも、今年の作品群のクオリティの高さを考えると納得でした。(脚色賞『アメリカン・フィクション』、音響賞『関心領域』など)

JK 町田さんにとって、印象的だったシーン、スピーチというと?

『アメリカン・フィクション』の監督・脚本家のコード・ジェファーソンのスピーチ。

同企画はリスクが多いと言われ、通すのが難しかったそうで、「でも、200億ドル予算の大作だってリスクなのだから、同じリスクなら、50億ドル予算の作品4本、何なら5億ドル予算の作品40本にチャンスを与えてほしい。世界には、未来のマーティン・スコセッシやグレタ・ガーウィグが隠れているはずなのです」と、世界中にいるであろうインディペンデント・フィルムメイカーの声を代弁し、スタジオやプロデューサーにメッセージを投げかけていた。

オッペンハイマーのキリアン・マーフィーのスピーチ

「自分たちは原爆を作り出した人物についての映画を作り、その世界に住んでいる。だからこそ、平和のために活動するすべての人々にこの賞を捧げたい」(オッペンハイマーとして生きた彼の言葉としての重み)

JK  ライアン・ゴズリングのパフォーマンスも大盛り上がりでしたね!(受賞は逃したものの、この夜の本当の意味でのスターだったと評する人も)

「I'm just Ken」で、マリリン・モンローの「紳士は金髪がお好き」へのオマージュをたっぷりと見せつけてくれました!これはライアン自らの提案だったそうですが、『バービー』のグレタ・ガーウィグ監督もこのパフォーマンスの演出に深くかかわったそうです。

JK  そして、視覚効果賞での「ゴジラ -1.0」の受賞、こちらは?

山崎貴監督をはじめとするチームの皆さんがこの数週間、ロサンゼルス中のイベントに参加していたのも素晴らしいPRに。オスカー・ノミニーの同窓会で、スピルバーグ監督が3回も見た、と山崎監督に伝えたそうで、LAの日本人としても、本当に嬉しい受賞

JK 長編アニメーション賞の「僕たちはどう生きるか」については、予想では違う作品の名前を挙げる方が多かったようですが・・・いかがでしょうか?

*ハリウッドのフィルムメーカーたちの宮崎監督愛が形になった感じ

*ジブリ作品のアメリカ配給を手がける会社の社長によれば、ハリウッド中のスター俳優たちが口を揃えて「次にミヤザキが作る作品があったら、声をかけてほしい」と言うほどなんだとか。