先日、CNNが取り上げた一人の日本人写真家、長坂フミさん。ニューヨークを拠点に活動する彼女が写真に収めているのは、エネルギー溢れる若者たちの日常です。また、ストリート、サブカルチャー、そしてファッションの作品を撮り続け、Belfast Photo Festival や International Photography Awardなどでも賞を受賞。そんな長坂さんがこの秋リリースした、アラバマ州ウォーカーでの経験を写真で記録したフォトブック「Dora, Yerkwood, Walker Country, Alabama」が注目を集めています。今日は、長坂さんにオンラインでお話を伺います。

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長坂さんがNYに渡られたのはいつですか? きっかけは?

20年以上、若い時に何かやりたかったものの、日本のルールでは、夢を叶えるのが難しいと感じたことから渡米。アメリカで、バックグラウンドがなくても才能があれば受け絵入れてくれるというカルチャーに魅了されて、アメリカで活動することに。

*今回のフォトブックはどんな作品なのでしょうか?

南部のアラバマ州のウォーカー群という田舎街の人々を写真に収めたもの。NYで近所に住んでいる友達が帰郷の際に誘ってくれて2012年に始めて訪れたことがきっかけで、N Yとの違いに驚いた。友達の家族など、身近な人たちの姿を撮ったり、アメリカの高校生活を撮ったりすることで、アメリカのユースカルチャーに興味を持ち、そこから撮影を重ねていったものの、最初は心開いてくれず。NYでは、子供を撮る際に親の許可を取るにも芸術への理解が深く、早いけれど、アラバマなどでは、懐疑的で、最初は撮らせてくれなかったそう。それでも、家族伝いや、新聞社からアプローチしたりと取り組んで、そんな地道な活動から心開いてくれるようになりました。

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*住む地域によっての若者の違いは?

若い子達は、ソーシャルメディアが普及したことで、主張したいことを発信しているように感じていたものの、実は、まだコンサバで発信できていない部分もあることを実感しています。

*長坂さんがZ世代に感じることは?

自分の若い時とは全く違い、自由に対して、皆が主張するために反対に厳しい時代となってしまっているのかも。自分が強くないと自分の表現が伝わらない時代。ただ、変えていこうという気持ちは強いので、そういう子たちと協力して社会に伝えていけたらと思う。自分ならではの視点を活かして、アメリカの人たちをどんどん撮っていきたい。自分が見たことがない、感じたことがないことを日本の人たちに伝えたり、この土地のチャーミングな場所、人、を伝えていきたい。自分らしい視点をどんどん写真に収めていきたいと思っています。

アメリカの田舎町の土埃と汗と若者たちのエネルギーが伝わってくる長坂さんの写真集「Dora, Yerkwood, Walker Country, Alabama

イギリスの出版社のサイト、ぜひチェックしてみてください。