11月とは思えない暑さから一転、一気に気温も急に下がってきて、星空が美しい季節がやってきました。

夜空を見上げれば、ISS(国際宇宙ステーション)が見えたり、来週には、しし座流星群もピークを迎えます。そんな、宇宙ですが、先月、伝えられたのは、「宇宙ゴミ」にまつわるニュース。アメリカの通信当局が、運用が終わった人工衛星を廃棄しなかったとして、アメリカの民間企業に日本円で2200万円余りの制裁金を科したというもの。スペースデブリ、いわゆる「宇宙ゴミ」に対する制裁金が課せられたのは、世界初ということですが、今日はそんな「宇宙ゴミ」の実態について(株)アストロスケール 上級副社長の伊藤美樹さんにお話を伺います。

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アストロスケールは、スペースデブリの除去、軌道上サービスに取り組む民間企業ということですが、まずは、このスペースデブリの状況について教えていただけますか?

「デブリ」とは、使い終わった人工衛星、ロケットの上段部分、衝突の破片など現在、10センチ以上のものは、3万6000個ほどあり、これは地上からトラッキングできている。一方、トラッキングできない1センチ以上のものは100万個程度浮遊しているという現状です。

そういったデブリが、秒速7~8キロで、弾丸より早いスピードで飛んでくるという宇宙。1センチのものでも致命的な損傷を与えるもので、ロケットの上段部分などは、大型バスの大きさのものが弾丸より早いスピードで来るという状態です。

回収に関するルールはあるのでしょうか?

ガイドラインはあるものの、厳しい国際的なルールはなく、各自、打ち上げた側に依存していたことで、デブリが増える結果になってます。

先月、アメリカでは初の制裁金が科せられるニュースが伝えられていましたが、人工衛星の廃棄というのは、どういった作業なのでしょうか?

大気圏で熱で燃やしてしまう方法と、墓場軌道に移動させるという2つの選択肢があります。デブリに近づいて、捕獲して、移動させる、というまるで車のレッカーのようなイメージ。

アストロスケールが開発を行っているスペースデブリ対策のプロジェクトについて教えてください。

ロードサービスの宇宙版のような軌道上サービスを提供するためにデブリの回収、デブリの観測、燃料補給など寿命延長のサービスを行うというプロジェクト。直近ではJAXAとロケットのデブリを観測しに行くプロジェクトがスタート中です。

デブリ同士が衝突することで、衝突が連鎖的に発生することで、デブリが自然増殖していくという現象が怖い。宇宙環境を持続的に使っていくことを続けていたい。

今日は、宇宙ゴミ、スペースデブリにフォーカスし、アストロスケールの伊藤美樹さんにお話を伺いました。

スペースデブリの移動場所、「墓場軌道」という単語は衝撃的。ロケットは、打ち上げから人工衛星を届けた時点で「デブリ」となり、衛星は、10年以内の設計寿命のものが多いそうなんですが、故障して寿命までいかないものも多かったり・・・私たちの生活になくてはならない「宇宙」、ここから国際的なルールやデブリの回収作業の設立、必至ですね。