化石や動植物など、様々な標本を収集し、展示している国立科学博物館。皆さんも、子供の頃や学生時代に一度は訪れたことがあるのではないでしょうか?

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そんな国立科学博物館がクラウドファンディングを立ち上げたのは、8月7日のこと。標本を収集・管理するための資金を集めるためのチャレンジでしたが、なんと1日で目標金額の1億円に到達。現在までで、4万6000人以上の支援を得て、7億5千万円以上を集めるに至っています。

今日は、この国立科学博物館の試み、その経緯や博物館の魅力に迫っていきたいと思います。館長の篠田謙一さんに事前にお話を伺いました。

JK 篠田館長、今日はありがとうございます!国立科学博物館のクラウドファンディング、1ヶ月経ちましたがすごい反響。これほどの反響、想像されていましたか?

もちろん想像していなかった。3ヶ月の長い期間のクラファンを予定だったため、こんなにすぐ結果が出るとは思っていませんでした。

*そもそも、クラウドファンディングに踏み切られた理由を教えていただけますでしょうか?

資金がなくなったためです。本年度は資金ショートするな、とわかり資金援助を求めたものの、調達できなかったため、クラファンに挑戦しました。

*国の施設でも財政がひっ迫していた?

5カ年計画で資金計画しているものの、予想外のコロナ、光熱費の高騰により資金ショートすることが予測された状態でした。

*今回集められた資金はどんなことに使われるのでしょうか?

かはくの本来の仕事である標本の収集と管理という仕事に使われます。最初は1億円いただければ賄えると思っていたのですが、こんなに集まったので、他の同じ業務を行っている他の博物館と共有することを考えています

*標本収集の意義とは?(地球の宝?未来にも繋がる?)

かはくには、科学技術史、自然史の標本500万点があり、年間8万点ずつ増えていくペース。そのうち2万点が上野で展示され、残りは、筑波で管理されているわけですが、その標本は、研究のために使われ、研究者にとって重要なもの、将来の研究者にとって重要なものとなる標本を集めています。いわば、新しいもの(技術)が生まれる土台を作っているんです。現在、気候変動が著しいですが、こういった時に何が起こるのか、後で検証するために、今、標本を集めなければならない。今だからこそ、たくさんの標本が必要な時代でもあるんです。

*今回のクラウドファンディングのリターンも注目を集めましたが、どんなお礼が用意されているのでしょうか?(すでに枠が埋まってしまったものも含め、一番人気だったものは?)

一日で次々となくなったため、一番というのはわからないんですが、お金で買えないものがやはり人気だったようです。バックヤードツアーを企画したものの、最初は、誰も応募してくれず家族や親戚を案内することになるんじゃないかと思っていたんですが、蓋を開けてみれば、人気の返礼品だったようで、良かったです。

*国立科学博物館の最大の魅力はどんなところだと思われますか?

一般の方にとっては科学の入り口として捉えていただければ。中学・高校で、科学と触れ合う機会がなくなるという方も多いですが、その後も、科学を学べる。科学の面白さを体験していただくためにある博物館です。

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国立科学博物館の篠田謙一館長に、かはくクラウドファンディングについてお話を伺いました。恐竜の真鍋、人類の篠田、動物の川田、ミイラの坂上と、かはくならではの呼び方も教えていただきました。面白かった!

こちらのクラウドファンディングは11月5日午後11時まで。ご興味持たれた方、ぜひREADY FORのページ、チェックしてみてください

【クラウドファンディング】

地球の宝を守れ|国立科学博物館500万点のコレクションを次世代へ