先月、公表された北海道で見つかった新たな鉱物「北海道石」。

国際鉱物学連合で今年1月に登録され、紫外線を当てると美しく光るというこの珍しい鉱物が石油生成のメカニズムを解明することになるかもしれない、と注目を浴びています。

今日は、大阪大学や九州大学の研究チームの方たちと共にこの北海道石を発見した公益財団法⼈「相模中央化学研究所」の田中陵二主任研究員にリモートでお話を伺いました。

この北海道石は、炭素と水素からできている「有機鉱物」という珍しい石。紫外線を当てると光るという部分も特徴的ですが、北海道石は、地殻の中で、火山の熱や熱水により分解して、温泉と一緒に地上にがってくるため、この北海道石を研究することで分子がどうやってできるのか見えてくるそう。そもそも、石油がどうやって地球内部で作られているかが、未だわかっていないことから、地殻中の炭素がどう動き回っているか、その環境が見えてくると言います。

また、この研究を利用することで、地球温暖化の問題となっている二酸化炭素についても応用できたりと、未来につながる研究になるようです。

ちなみに、こういった新種の鉱物の発見は、偶然の産物が多いのだとか。偶然見つけたものを、「これはどうも新しいものらしい・・・」と、直感的に嗅ぎ分けるんだそうです。

地球の成り立ちなど、過去だけでなく、未来を見据えることもできるという鉱物研究。時には実験室で、時には山に入って、田中さんたちは更なる研究を続けているそうです。

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