先月21日に閉幕したG7広島サミット2023。広島での開催、そしてウクライナのゼレンスキー大統領の参加と世界から注目を集めたこの会議ですが、その際、首脳たちに送られた贈呈品、どんなものだったか、みなさんご存知でしょうか?

万年筆、ワイングラス、そして一際目を引いたのが、各国首脳の配偶者向け贈呈品となった日本製のオペラグラス「カブキグラス」。

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メガネ型のオペラグラス、なんですが、なぜこの商品が選ばれたのか、その魅力に迫ります。

開発者であり、カブキグラスのメーカー「サンテプラス」の代表、坂田直明さんにお話を伺いました。

メガネ型のオペラグラスで両手がフリーになり、さらにオートフォーカス。7メートル以上、月でもピントが合うというもの。レンズ5枚とプリズム2枚を通して、自分の目が勝手にピントを合わせるという設計で、見たものが見えて、見ていないものはボケる構造のため、まさに目の前に見たいものが広がる感覚。人間の目の力を最大限に引き出し、電池も使っていないため軽量化に成功。その重さは、わずか92グラムと双眼鏡としては最軽量の部類にあたり、双眼鏡の常識を変える一品です。

まさに、職人の技によって実現できたこのグラス。実際に目で見るよりクリアに明るく、立体的に見えてきます。

こちらを開発されたのが坂田さん。そのきっかけは、海外に駐在した際に舞台にハマり、よく劇場に足を運んでいたものの、最初は寝てしまっていた。それでも通い続け、同じ演目を見た時に、その違いに驚くことに。表情、息遣い、気持ちまでが見えてくるようで、そこから、最高の観劇体験をするため、30個もの双眼鏡を購入、しかしなかなか合うものがなかったことから、1997年に構想スタートし、開発に漕ぎ着けたとのことです。

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すべてのパーツがMade in Japanそして日本の匠の技を駆使した「カブキグラス」。

現在は、NYのメトロポリタン歌劇場にも納品。飛び込み営業で取引がスタートして7年となっているそうです。他にも柔道の世界選手権でも使っている方を見かけたり、スポーツ観戦にもぴったりというこのカブキグラス。情熱から生まれた逸品となっています。G7サミットの後には、一時品切れ状態だったということですが、現在は、2日で2ヶ月分のオーダーが入り、増産中とのこと。

装着感とその角度にこだわり抜いたというこの「カブキグラス」、用途もプロスポーツのスカウトが使い始めたり、旅行会社がツアーの推奨品として、サファリツアーで俊敏に動く動物を見逃さないために使っていたり。他にも高速道路の点検、インフラの点検などに採用され、目視点検の際、クラックなどを見逃さない優れた双眼鏡として使われているようです。

ぜひ気になった方、サンテプラスのHP、チェックしてみてください!