NYの人気観光スポットといえば、タイムズスクエア。年末の年越しカウントダウンでも有名ですよね。世界中から人が集まるそのタイムズスクエアでもし15秒間の動画を自由に流せるとしたら...皆さんは何の、どんな動画を流しますか。実は、タイムズスクエアの巨大スクリーンで、15秒間の動画を自由に...流せるんです!広告効果バツグンのタイムズスクエアで、あえて広告ではない動画コンテンツを映すサービスを今朝はピックアップします。
このサービスを手がけるTSX ENTERTAINMENTの共同CEONick Holmstén (ニック・ホルムステン)さんにお話を伺いました。
Q1: JK タイムズ・スクエアの巨大スクリーンに自由にコンテンツを流せるとのことですが、一体どのような仕組みでしょうか。いわゆる「普通の広告」ではダメとのことですが、どのようなコンテンツが推奨されていますか。
この会社を立ち上げた時に、何か面白いことができないか、と社内のエンジニアチームに大きな課題を課しました(与えました)。というのも、我々は世界中の誰もが知っているタイムズ・スクエアで、一番大きなビルボードのスペースを所有しています。そのスペースで、一般的な広告を流す「以外」のことはできないか、挑戦したかったのです。
そこで、世界中から誰でもiPhoneやアンドロイドのスマートフォンのアプリを使ってビデオをアップロードし、タイムズ・スクエアの一番大きなビルボードを「乗っ取る」ことができるようにしようと思いつきました。それを我々の使命とし、実際にその仕組みを作ることができました。ユーザーにとっては中々感動的で、楽しんでもらえる体験なのではないかと思っています。
実際にアップロードしてもらうビデオの内容、ビルボードの使い方に関してですが、ユーザーの方々に多角的に考えて貰いたいと思いました。広告、というよりは、エンターテインメントのアプローチで捉えて貰いたいと考えました。例えば、QRコードやURLはダメですが、SNSなどのユーザー名を記載するのはOKです。ユーザーの皆さんに、様々な才能を披露してもらったり、人生の様々な節目を祝ってもらったり、自身のブランドを宣伝してもらったり、SNSで行うような投稿をビルボードのスクリーンを使って投稿してもらう、そんなアプローチで始めました。
Q2: JK 実際に投稿する際のユーザー体験はどのような流れでしょうか。時間帯の枠は先着順ですか。やはり人気が集中する時間帯もあるのでしょうか。
ユーザー体験としてはとても簡単で、スムーズなものです。まずアプリをダウンロードし、アプリ内のライブラリにアクセスします。15秒の動画をそのライブラリへアップロードし、クロップなどして長さなどを調整し、実際に流れる内容をプレビューで確認します。そして空いてる時間帯の中から枠を選び、支払いをし、モデレーション(コンテンツチェック)を待ちます。このコンテンツチェックのプロセスはAIによって行われますが、最終チェックは必ず人間がマニュアルで行います。24時間、常にコンテンツをチェックしている人間がいます。タイムズ・スクエアで一番大きなビルボードに適当なコンテンツを流すわけにはいかないですからね。ただ、コンテンツをアップロードしてから実際にビルボードで再生されるまでに最速15分もかからないので、かなりクイックで便利なプロセスになっています。
時間帯の枠に関しては先着順です。なので人気の枠や希望の枠にコンテンツを流したい場合、早めに予約してもらう必要があります。当然、人気の時間帯はすぐに埋まってしまいますよ。
Q3: JK コンテンツのチェックをするにあたって、何かルールはありますか。例えば著作権を侵害するようなコンテンツは多いですか。(ディズニー、パラマウント、ユニバーサルのコンテンツなど)
勿論、ルールは沢山あります。例えば、投稿者自身がコントロールできるコンテンツ、つまり権利が全て投稿者にあるものでないといけません。自傷行為を始めとする危険行為、ヌード、いじめ、ハラスメント、性的な内容など、アップロードできない内容は沢山あります。ただ、実際にコンテンツチェックをしていて気付いたことは、このように禁止されている内容を投稿してくるユーザーはとても少ないということです。アップロードする前に注意事項をよく読んで頂いているのでしょうね。
著作権を侵害するような内容に関してですが、違反するもの、つまりはアップロードしてはいけないものに関してはユーザーの皆さんもよく理解されているようです。そもそも、考えてみたら、わざわざ40ドル支払って、他の人が作ったコンテンツを投稿する人はあまりいないですよね。なので大手の映像会社や配信会社のコンテンツを投稿する人は今まであまりなく、ほとんどユーザー自身のパーソナルなコンテンツや、自身のコントロール下にあるコンテンツです。ほとんどが、自分がリリースする音楽だったり、誕生日のお祝いだったり、プロポーズだったりです。なので今までは著作権を侵害する問題はあまりなかったですが、勿論引っ掛かればスクリーンには映りません。
Q4: JK ターゲット層はどのあたりでしょうか。Z世代からベビーブーム世代まで幅広いですか。どこの国からの投稿が多いのでしょう。どのような方々が動画投稿していますか。
おっしゃる通り、幅広いユーザーの方々がいらして、実に多彩なコンテンツが投稿されています。放映されるその時間帯に、実際にタイムズ・スクエアにいない人からの投稿が多いですね。放映される時間帯に現地にいなくとも、ライブカメラで放映の様子を簡単に確認できるので、放映の様子を遠隔でキャプチャするのは可能ですが、現地にいない人からの投稿が多いことには驚きました。これって本当にエキサイティングなことだと思っていまして、世界中どこにいても、世界で最も人通りの多い場所のひとつと言われているタイムズ・スクエアで、このビルボードスクリーンを使って、とてもスペシャルな時間を作れるということですよね。「グローバル・モーメント」=世界的な瞬間を創っているんだと感じました。
ユーザー層としては、やはりアメリカからの投稿が一番多く、その次に多いのがアジアからです。巨大スクリーンを乗っ取って、お祝いしたり、自分のストーリーを語る、ということが、アジア圏の皆さんからかなり注目されているのがわかります。アジア圏からの投稿が多いことは驚きでした。全体としては100の国や地域からの投稿があります。
Q5: JKこのプロジェクト、タイムズ・スクエアの他に展開予定はありますか。
実は我々は他にも独自のシステムや技術を展開しています。例えば今日お話ししたのはスマートフォンを使って大きなスクリーンにアップロードすることでしたが、我々のスクリーンでは音も一緒に楽しめます。音も楽しめるスクリーンというのは、現時点では世界で我々しかやっていないと思います。なので、イベントとコラボしてスクリーンでの放映を行なっています。例えば、NFLとコラボしてスーパー・ボウルをタイムズ・スクエアで放映するプロジェクトも手掛けました。スクリーンを見ながら、自分のスマートフォンで音を楽しむ、という仕組みです。なので、今日お話ししました15秒のコンテンツにも、近い将来、音を付けることが可能になります。
ユーザーの皆さんには「世界最大のソーシャル・フィード」と考えてもらいたいです。自分を表現する、自分の創造(創った)ものを発信する、その術(手段)のひとつ、今のSNSの延長、として考えてもらいたいです。
今後の展開としては、我々でスクリーンをコントロールできるようなパートナーと協議を進めています。大きなキャンペーンをする際に、我々のシステムというのはとても有効だと思いますし、すでに多くの会社から興味がある旨聞いています。何件かすでに交渉中で、次の場所がどこになるのかはまだお教えできませんが、近い将来お披露目できるはずです。
今朝は、ニューヨークはタイムズスクエアの巨大スクリーンで好きな動画を15秒間流せるサービスを提供しています TSX ENTERTAINMENT 共同CEOの Nick Holmstén (ニック・ホルムステン)さんに事前に伺った内容をお届けしました。

