今日は、このほど、日本科学未来館で屋外実証テストがスタートしたという「AIスーツケース」について、こちらの開発・研究に携わってこられた日本科学未来館、副館長 兼 研究推進室室長の高木啓伸さんにお話を伺いました。
スーツケース型の視覚障害者向けの誘導ロボット、「AIスーツケース」。
機内持ち込みサイズのキャスター付きスーツケースで、持ち手のところに手を添えると目的地へ誘導してくれるというもの。これまでに千歳空港や日本科学未来館の館内で屋内走行テストが行われてきましたが、このほど、屋外での実証テストがスタートしました。
●AIスーツケースとはどんなものなのでしょうか？
見た目はスーツケースで、中にはモーター、バッテリー、センサーなどが搭載されています。音声で目的地を設定すると、自動的に連れて行ってくれるというもので、時速は４キロ程度。ユーザーの歩く速度にも合わせられるようになっています。
●どんなシーンでの活用を考えたものなのでしょうか？
視覚障害者の方が一人でも旅行できるように、一人でも世界中、どこにでも行けるように、また、普段の街歩き、買い物などの日常シーンでも使って欲しいと思っています。
●なぜこういった「スーツケース」の形に？
どこの街でも街に溶け込めるように、押していても違和感がないようにという思いでこの形にこだわりました。
ただ、視覚障害を持つ方以外にも、高齢者のためのAIショッピングカートやAIベビーカーなどの要望も寄せられています。
様々な用途に使える技術なので、色々な生活パターンにあった形で、最終的にはモビリティ群、例えば、自動運転自動車などと連携して、人のニーズに合わせた形で誘導ができるようなればと思っています。
また、現在はルートを作る必要がありますが、今後ルートを作らなくても大丈夫な機能を開発中です。
●今回の屋外での実証テストとは？
屋内と違い、衛星による測位、信号機、自転車などへの対応などもできるようにする必要があり、現在、屋内、屋外で利用できるようデータを収集、実用化に近づけている段階です。
将来的にはその技術を応用して、様々なシーンでの活用が期待されるAIスーツケース。今後の展開も楽しみです！