今朝は、お茶を通して日本文化の価値を世界に発信しているZ世代の茶道家で、株式会社TeaRoomの代表取締役CEO、岩本涼さんにお話を伺いました。

20220902f01.jpg

岩本さんは、先日発表されました〈Forbes JAPAN 30 UNDER 30 2022日本発「世界を変える30歳未満」30人〉のお一人にも選ばれるなど、今注目されています。お茶産業の現状、そして株式会社TeaRoomとしての展望を聞きました。

岩本さんのお茶との出会いは9歳の時にテレビで茶人の姿のカッコ良さに感動してから。自分が好きな茶道を社会に伝えようとした際、お茶の産業が右肩下がりの現実に直面し、悔しい思いをしたことが起業につながったそうです。

近年、ペットボトルに入った清涼飲料水としてのお茶がマーケットを牽引していて、今では産業の7-8割が清涼飲料水としてのお茶が占めています。これは、マーケットを広げたというイノベーションではあったものの、大量生産、大量消費に追われ、結果として産業構造が疲弊することになってしまったそうです。

そんな状況を打開すべく、株式会社TeaRoomは文化の価値を使って日本茶の価値を高めようとしています。

20220902f02.jpg

また、現状として、茶道という文化とお茶の産業自体に大きな隔たりがあるので、それをどう繋いでいくか、そしてお茶の文化を接点として日本茶の情緒的な価値をどう消費者に伝えていくかがだ大事だと思っているとのことです。

具体的な施策としては、文化を接点としたサロンなどコミュニティの場を設けながら、思想を共感できるパートナーを増やし、また、「一服する」といったお茶のコミュニケーション的・内省的・情緒的な側面から事業開発を進めています。

近年では社内に茶室を設ける会社も増えており、新しいコミュニケーションツールとしての活用を期待できるそうです。「リモートワークで社会が効率化され、可処分時間が増えている人も多い中、自分にとっての豊かさや大切な価値観が何かを考え向き合うツールにもなればいいかなと思います」と岩本さん。

「調和の精神」のような日本的な考えが世界に広まる手段としてお茶が用いられることを望み、今後海外にも積極的に進出予定とのこと。世界展開のお話をまた伺えるのを楽しみにしています。