人口増加や貧困などを背景に生じる農地の拡大や森林伐採、それにより急激に進んでいるという砂漠化。食糧の栽培環境にも大きな変化が起きている状況の中、今日取り上げるのは、イタリアのジェノバ沖で行われている海中で植物の栽培を行うという一風変わったプロジェクト「Nemo's Garden」です。

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陸上の限られた土地、水、に頼らず、海中で循環型の栽培が行えるという、驚きのこのプロジェクト。開発者の息子さんでありOCEAN REEF incLuca Gamberiniさんにお話を伺います。

JK 海中で農業を行う、栽培を行うというこのNemo`s Gardenどういうものなのか教えていただきましょう。

ドーム状の巨大コンタクトのようなものを沈め、鎖で止めている。エアータンクで空気を入れているので浮いている状態。太陽光は届く深さなので、光合成が起きて植物が育つとのこと。温度差があり、二酸化炭素もあるので、ドームの内側に結露が>起き、この水で水耕栽培。ココナッツの繊維を使って植物を固定している。

JK 水中で栽培するという発想はどこから?

偶然の産物で、クリエイティブなお父さんが友人との賭けで、水中で農業できるかどうかを賭けたことから始まりました。家のガレージでプロジェクトがスタート。

まずは、バジルを栽培。その理由は、実験用に一つの植物に特化したかったこと。またジェノベーゼソースの地元と言うことでバジルをチョイス。これにより地元の注目も集めました。

現在は、豆、イチゴなどもチャレンジ中。限度は、そのサイズ。ドームの中に収まる植物であれば、可能性ありです。

穀物は背丈が高いので、ちょっとドームには向かないかも。今の状態では、厳しいです。現在、コスト面で、希少価値の高いものなどを作るようにしています。

製薬会社と組んだ経験も。これは、製薬メーカーがレンタルする形で実現しました。このドームの中で作られたハーブは、エッセンシャルオイルの精油レベル、含有率が高いことがわかりました。

養殖の餌を栽培し、魚のフンを肥料とするなど、循環型栽培も進んでいます。