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今日は、障がい者や高齢者など、配慮が必要な「要配慮者」の外出支援サービス「袖縁(そでえん)」に焦点を当てます。障がい者や高齢者の方々が外出する際、手助けをお願いする側、そして、手助けをする側、 お互いに遠慮があったり、具体的にどのように手助けすればいいかわからないケースも多くあります。「袖縁」は、そんな「要配慮者」と「支援者」の心のバリアをなくし、要配慮者の外出をサポートするアプリです。具体的にどのようなアプリなのか、今朝は、株式会社 袖縁代表取締役 友枝 敦さんにお話し伺います。

JK :これは一体どのようなアプリでしょうか。

AT :障がい者や高齢者、ベビーカーユーザーといった方々と支援者の方々を繋ぎ、要配慮者の「出かける勇気」と「楽しさ」を向上させるアプリです。ただ、弱者を表明した上でのマッチングになるので、安全第一が重要になります。例えば、駅だったら駅員に、お店だったら店員に通知されて、大切なお客様として介助に来て貰えるという流れです。色々なサービスを使う時、要配慮者の皆さんがそのサービスの担い手の皆さんに手伝いをお願いするという感じです。

JK :具体的にはどのように使うのでしょうか。

AT :視覚障がい者の方も最近はスマホを使っていて、お店に行く際、道案内アプリで行っています。ただ、お店の近くまで来ると「着きました」と言われて案内が終わってしまい、入り口がわからない状態でおいてけぼりになってしまいます。そんな時は袖縁のアプリで「出迎え依頼」と言うボタンを押しますと、店員さんに繋がり、出迎えに来て頂くなどのサポートを受けられます。段差があって入店できない車椅子ユーザーも同様です。他には、「トイレに連れて行って下さい」と言う「トイレ案内」などもあります。障がい者や要配慮者とはいえ、それぞれの状況や障がいの状態が違いますよね。そのため、いわゆる自分自身の「あんちょこ/トリセツ」を事前登録することができます。その「説明しなければならない」というのがストレスで出掛けるのを控えるという方もいます。これによって、いちいち説明をしなくてもいいですし、介助をする側もしやすくなり、ハードルを一気に越えることができます。例えば、車椅子ユーザーの方がいるとします。まずは「あんちょこ」を登録し、お店に着きました。これをアプリで発信すると、そのサービスを提供する側にアプリで知らせが行き、マッチングし、スムーズに介助を受けられるということになります。

JK :ウェブサイトで、渋谷と新宿で実験をされたと拝見しました。どのような反応、どのようなフィードバックがありましたか?

AT : 視覚障がい者、聴覚障がい者、車椅子ユーザ、そしてベビーカーユーザーの方々に御参加頂きました。「夢のようなアプリだ」や「これでまた出かけられる」と言う声を頂きました。また、親しい人に勧めたい度合いを示すNPSというスコアがあるのですが、「52」という高スコアを頂きました。更にコンセプトや今後の話をしたところ、NPSが満点に上がりました。皆さんに期待して頂いていることだと思います。

JK :お店など、サービスを提供する側の皆さんのフィードバックはどうですか。

AT :お客さんと接し易くなったと、喜びの声を聞いています。「今までは手助けが必要なのかどうかをわからず困ることが多かったのですが、スマホに通知が来てそれがわかりやすくなった」との声もありました。逆に、「同じ障がいを持った方でも人によってこんなにも違うということがわかり、今まで大丈夫だったのかなとビビった」という声もありました。

JK :介助を必要とする皆さんは当然このアプリをダウンロードしていると思いますが、介助する側、アシストする側の方々が増えないといけないと思います。これはどのように増やしていくと考えていらっしゃいますか。

AT :障害者差別解消法という法律が改正され、民間の人たちも合理的配慮が3年以内に義務となります。そのことも鑑み、あまねく事業者の皆さんには使って頂きたいというのが本音のところです。また、実は事業者側にもメリットがあります。観光バリアフリー宣言をした沖縄での調査によると、障がい者の方々は観光に使うお金が平均より多く、高齢者の方々は更に多いということがわかっています。つまり、とても良いお客様になり得る傾向があります。介助の方が同行されることも少なくないので、物理的に人数が多いということもあります。

JK :「袖縁」、是非普及させてください。今後の展開を楽しみにしています。