今日は、ハワイが目指す「新しい観光」にクロースアップします。

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コロナ禍でハワイへの観光客が激減、経済の21%が観光で支えられているハワイは大打撃を受けました。ピークシーズンには毎日4万人近くがハワイの空港に来島していましたが、去年は500人まで下がったこともありました。一方で、訪れる人が減ることで、自然環境が劇的に改善しました。これには現地の皆さんも驚き、予想していないことでした。パンデミック後、どのように自然と共存しつつ「新しい観光」のビジョンを掲げるのでしょうか。今朝は、ハワイ・ツーリズム・オーソリティ局長兼CEOジョン・デ・フリーズさんと繋がります。

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JK 大打撃を受けた観光の裏で、ハワイの自然環境はかなり良くなったと聞きました。いくつか例を教えて貰えますか。

JDF 特に海岸線や山々でかなりの回復が見られました。例えば、その影響でアシカの数がかなり増えました。海藻、珊瑚礁の環境も改善し、自然の生物総じてかなり増えています。

JK 海の環境はどうでしょう?透明度が上がったと聞きました。

JDF 観光のホットスポット、ハナウマ湾は勿論、殆どの海外線で透明度が上がりました。やはり人間が訪れると何かしらの悪い影響が多いですよね。パンデミックで人が減り、相当水の透明度が上がったのは間違いありません。

JK コロナと共に進むツーリズムの将来、どのようなビジョンをお持ちですか。ハワイでは何が変わりますか。

JDF 一番重要な変化は皆さんの考え方だと思います。観光とは何なのか、観光ビジネスとは何なのか、サービスとは何なのか、そういう考え方が変わってくると思います。ハワイには「MALAMA」という、自然を育み、優しく対峙し寄り添う、という言葉があります。これがこれからのハワイ、そしてハワイのツーリズムを象徴するようになるのではないでしょうか。

JK しかし経済的には観光客が必要ですよね。ビジネスと環境、どのようにバランスを取るのでしょうか。

JDF このパンデミックで勿論方向性が変わりましたし、実はパンデミック前にも環境への負荷は既に心配されていました。環境を管理し保全するシステムをいかに導入するかというのは以前から意識されていましたが、このパンデミックで「持続可能性」がより重要になってきました。

JK 規制はどうなるのでしょうか?予約制などを取られるのでしょうか。

JDF はい。既にハナウマ湾とダイヤモンドヘッドの2箇所で既に導入されています。環境保全のために持続可能で統一的なルールを全島的に採用していきたいと考えています。

JK 観光業界の皆さんからは心配の声はあがっていませんか?

JDF 心配もあるかと思いますが、長期的な視点で考えて欲しいと思っています。絶海の孤島であるハワイ故に、環境を重んじる大切さを意識していく必要があります。持続可能なビジネスはどう目指せばいいかということを常に意識する必要があります。

JK 「アグリ・ツーリズム」はこれからの観光業における鍵となり得ますでしょうか。

JDF 「アグリ・ツーリズム」は成長分野です。地産地消の農作物がどのように作られているのか、どういった形で環境が保全されていくのかがポイントです。観光客に食材を提供する農家や漁師の皆さんの間でもマインドセットの変化が見られます。

JK 一番のオススメの場所はどこでしょうか?

JDF 私が生まれた、ワイキキです。そこの小学校にも通いましたし、現在もそこから仕事ができるのはとても幸せなことです。ホームタウンで育ち、ホームタウンで仕事が出来るのは嬉しいですね。

JK 自由にハワイへ行ける日を楽しみにしています!持続可能な観光へ向けて、頑張ってください。

ハワイ観光局ホームページ