今朝は、急成長しているNFT市場で、注目を集めているデジタルアートについて取り上げます。
NFT ・・・Non Fungible Tokenの頭文字をとった略語で、日本語では、「非代替性トークン」と呼ばれています。コピーが簡単なデジタルデータを複製できないようにして、これは唯一無二のものですよと証明する認証技術。複製されてはいけない仮想通貨の取引で使われている技術ですこれによって、従来は複製しやすかった、デジタルの映像作品などのデジタルアートの価値が今、高まっています。
今年3月、アメリカのアーティストが制作したデジタルアートが6900万ドル、当時の日本円で およそ75億円で取引された、というニュースもありました。今朝は このNFT市場とアートの親和性について、活躍している日本人アーティスト、せきぐちあいみさんにお話を伺います。
JK :せきぐち さんはヴァーチャルリアリティを用いたデジタルアートを制作されています。その作品を、3月にNFT市場でオークションにかけたとのことですが、まず、せきぐち さんのアート、VRアートというのはどのように作られているのですか?
せきぐち: VR空間に立体の絵を描いています。VRゴーグルを被ってコントローラーを使って3Dの絵を描いています。VRゴーグルを被ると絵の世界に入れる新しい形のアートです。伝わりにくいので、ネットでVRアートやせきぐちあいみと検索してみてもらえると嬉しいです。
JK :アートの表現方法は、たくさんある中、なぜVRアートを選んだのですか?3月、NFTを使ったアートオークションに出品し、1300万円の価格が付いたそうですが、NFT市場で販売しようと思われた理由を教えてください。
せきぐち:デジタルアートにはいつかは価値がつくと思っていました。3月に海外で高額落札のニュースがいくつかあったので、いよいよ市場が整って来たんだ!と思い、調べて挑戦しました。いつか価値がつくとは思っていましたが、まさかこんなに早く、そして高額になるとは驚きました!
JK :通常、絵画、彫刻ですと、所有者のもとにそのアートが渡ると、他の人は観ることができません。VRアートはデジタルアートなので、落札した所有者以外の人でもアクセスして体験できるのですか?
せきぐち:はい。デジタルアートはこれまで通り、コピーもできて他の人も閲覧できます。(落札した人のみが見られるという形にすることも可能ですが、あまりそうする人はいません。)コピーが出回っても、本物の所有者が誰かというのがデータで明確にわかるようになっています。
JK :落札された今のオーナーの方からは、どんな感想が来ていますか?
せきぐち:直接お話をしたことはまだなく。これからも応援しています、というお言葉を頂いたくらいです。私のアートやデジタルアート業界全体に可能性を感じて応援してくれている人という感じがします。
JK :アートにおけるNFT市場の可能性についてどう思われますか?
せきぐち:今後ものすごい大きな市場になります。すでに市場規模としてはデジタル機器が今後より普及していくことで、だれもがデジタルデータや、デジタルアートを当たり前に売買するようになります。そうなったとき、NFTは一般的にも活用されるようになり、身近なものになると
JK : VRとNFTは相性がいいと思いますか?なぜ?
せきぐち:とても相性が良いです。これからVRデバイスが普及すると、NFTもまた相乗効果で広がると思います。どうぶつの森、のようにVR空間内に誰もがお互いの部屋や空間をもっていて、そこを行き来するようになると思います。 VRの中に、自分だけの空間を持てるとしたら、そこに自分だけの特別なアートを飾りたいと考える人は増えます。 そうなったときVRアートの需要はものすごく高まると思います。また、現状としても、VRは見る方法が限られていたり、可能性を秘めた面白いものでありながらデジタルアートの中でもより価値が付きにくかったので、NFTだからこそ価値が付くというところでの相性も良いと思います。
JK :今後、思うように外出できない年配の方の利用など、いろいろな分野に応用されるかもしれないですね!せきぐちさん、ありがとうございます。