日本の大学生田口愛さんがアフリカの国、ガーナで立ち上げたチョコレートビジネスにフォーカスします。

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子どもの頃からチョコレートが大好きで、アルバイトでためたお金で、ひとりガーナに向かいビジネスを立ち上げました。そして、日本が輸入するカカオ豆の80%はガーナ産。その価格の交渉まで!そしてついに今年、ガーナ産カカオ豆で作った「MAAHA chocolate」大きな話題となっています。

JK 日本と商習慣の異なるガーナで、日本からやってきた大学生がチョコレート工場を作る。Amanfrom(アマンフロム)という村で作ることにした理由があるのですか?

田口:アマンフロムはカカオがよく採れる地域。また村全体の雰囲気が温かかったこと、協力的なことからこの地から始めることになりました。今、60名ほどのカカオ農家さんが協力してくれています。

JK 大学に通うかたわら、ガーナ政府と交渉してカカオ豆の値段を独自に設定できるようにしたそうですが、ガーナにおけるカカオ豆の価格はどのような仕組みで決められているのですか?

田口: COCO BOARDという政府の組織が全土のカカオ豆を重さに応じて均一価格で買い取っています。その際品質は考慮されません。政府が統制しているので、仕組み全体を変えるというのは現状なかなか厳しいです。しかしながら私の場合、現地で偶然政府関係者と繋がれたことや、共同創業者がカカオ商社に入社したこともあり、活動地域で特別に認めてもらうことができました。

JK MAAHAのチョコレートを購入して、先ほど食べさせていただきました。僕がいただいたのは、マイルド、そしてイチゴのドライフルーツを混ぜ込んだもの。これは、ガーナのみなさんがカカオ豆からチョコレートまでを作っているのでしょうか?

田口:今は品質管理等のハードルがあり、ガーナのチョコレート工場で作られたチョコレートを輸入しているわけではなく、カカオ農家さんが作られた高品質なカカオを輸入し、日本の自社工房でチョコレートまで仕上げて販売しております。(現在のガーナの工場はチョコレートの文化を伝えるための場所としての役割と、MPRAESO(弊社)の農協としての役割があります)チョコレート美味しかった!という 日本のお客さんの声をいつもメッセージでカカオ農家さんに伝えているのですが、自分たちが誇りをもって育てたものに喜んでくれる人がいることを彼らも嬉しそうにしています。

JK 田口さんが設立した会社のウェブサイトを見ますと、会社概要には、「栽培支援及び規格外、廃棄予定等の農作物の買取等による農業支援事業」とあります。今後、ガーナでこうした廃棄予定の農作物の買い取りや支援をなさる予定ですか?

田口:最終的な夢はガーナのチョコレート工場から作られたチョコレートを日本の皆さんにお届けすることです。今の小さなチョコレート工場では衛生面や温度管理のコストがなど様々なハードルがあり、実現できていませんが、より現地に還元が行くよう、より農家さんの想いが伝わるよう、新しい工場を建てて雇用を生み出すことができたら嬉しいです。「MAAHA chocolateの売り上げの一部をこの夢に向かって貯めています。