今朝は「バイデン大統領就任」にフォーカスします。
現地時間の1月20日に行われた、第46代アメリカ合衆国大統領の就任式。今月6日に起きた連邦議事堂(キャピタル・ヒル)への乱入事件があったことで、異例の厳戒態勢がとられましたが、今回は大きな混乱はなく無事行われました。
分断から結束へと大きく舵を切ることになった今回の就任式。テレビ映像で伝わってくる様子とはまた違った現地の光景についてニューヨーク在住で、現地ワシントン入りして取材をされている、ジャーナリストの津山恵子さんに、このあとお話をお伺いします。
JK :まず津山さんはいつワシントン入りされましたか?
津山: 1月17日に現地入り。すでに警察官や迷彩服の州兵が交差点ごとに数人ずつ立ち、議事堂の周りでは日々、フェンスやバリケードの壁が広がる。立ち入り禁止エリアが徐々に拡大することで、ゴーストタウンの面積が徐々に増していった。各州から派遣された州兵の数は約2万5000人にのぼり、この数は、現在イラクとアフガニスタンに駐留する兵士の3倍。
JK :ものものしい警備の中の就任式でしたが、全米からたくさんの人々が集まって新しい大統領の門出を祝う従来の就任式とはどう違いましたか?
津山: もともと新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、就任式や恒例のパレードを見るために首都ワシントンに来ないよう、あらかじめ支援者に要請。また連邦捜査局(FBI)は首都ワシントンと50州の州都で、武装市民による攻撃に対する警戒を呼びかけました。2009年に行われたオバマ元大統領の就任式の際は、当日の地下鉄(ワシントン首都圏)の利用回数が110万回。2017年のトランプ前大統領の際は57万回。しかし今回は検問所がたった1つで集まったのはわずかに100人。
JK : 以前の就任式であれば、議事堂の前のナショナル・モール公園には沢山の人々がすし詰め状態でその瞬間を見届けますよね?
津山: 一般市民が入れる「唯一の検問所」に数時間さまざまな人に話を聞きながら数時間並んで待ちました。しかし金属探知機をくぐり抜けた先にたどりついたのは、パレードが行われるペンシルベニア・アベニューが奥に見える100メートル四方ほどの空間で、議事堂も見ることが出来ませんでした。