今朝は、プラスチックのペットボトルを使用した道路舗装にフォーカスします。長らく問題になっている使用済みペットボトルのゴミ。これらを使って道路を舗装出来たら、素晴らしいですよね。しかもプラスチックの方がコンクリートよりも強いという実験結果もあります。ペットボトルをリサイクル出来て、より強い道路を作れる。正に一石二鳥!

このプラスチックのペットボトルで道路を舗装する事業に取り組んでいるのは、アメリカ・カリフォルニア州のCaltrans=カリフォルニア交通局です。このCaltransにて道路舗装を担当していますTom Pyle(トム・パイル)さんと繋がります。

20210108f01.jpg

JK: どのようにしてプラスチックを利用するという発想に辿り着いたのでしょうか。

TP : 我々は常に道路に適している素材を探しています。リサイクルにもなりますので、プラスチックがコンクリートよりも強いとなれば是非利用したいと、そもそもの検討を始めました。初期の実験からプラスチックのパフォーマンスの高さが証明されています。

JK: コンクリートの方がプラスチックの方が強いというのはどのように実証されるのでしょうか。

TP :我々は、各種素材に対して常に様々なテストを我々行っています。その一つは舗装道路に熱湯をかけ、その上をスチール車輪で何度も圧力をかけて走るという実験ですが、プラスチックの方がコールタールやコンクリートより2倍の耐久性があると実証されました。

JK: カリフォルニアでは夏は暑くなり、冬は寒くなり、天候も関係しますよね。

TP :そうです。カリフォルニアでは熱帯雨林のような場所や砂漠もあり、年間を通して気候の変動もあります。そしてその中各種重量のトラックが何千台も移動します。どのくらいの厚さの道路が適しているのか、更には耐光性に関しても研究し続けています。

JK: 道路交通騒音(ロードノイズ)はどうなっていますか?

TP :舗装した道路は本当にコンクリートに比べてもとても美しく、スムーズな乗り心地です。

JK: コストはどうなっていますか?

TP :コストに関してはまだ試算しているところです。普通の道路舗装よりは高めにつくかもしれませんが、耐久性が証明されればオフセットできると考えております。

JK: 1キロあたり10万本のペットボトルが必要とのことですが、カリフォルニアでは127万キロの道路総延長でかなり量が必要じゃないですか?

TP :高速道路のシステムでも色々な戦略を以って舗装しています。既にタイヤを使った道路舗装も行われていますが、プラスチックボトル使用は価値があると考えています。確かに量は必要になりますが、今海洋汚染の原因としてペットボトルが挙げられていると考えてると、それを回収しリサイクルしてできると考えると大変意味深いです。恐らくリサイクル舗装材料としてペットボトルがタイヤを代替するということはなく、ペットボトルは高い耐久性が求められる特定の区間で利用されると思います。

JK: リサイクルになるならば、日本の高速道路でもペットボトルを利用できるようにするべきです。

TP :そうなるといいですよね。プラスチックボトルを使う取り組みを取り入れたい場所があれば知見を共有できればと思います。

JK: 今後の展開を楽しみにしています!

Caltrans(カリフォルニア交通局)HP ニュースリリース