今朝は、世界累計販売数3,000万台を突破したロボット掃除機「ルンバ」でお馴染み、アイロボット社CEOコリン・アングルさんと繋がります。創立30年で「ルンバ」は世界中で累計販売数3,000万台を突破しました。大成功の秘訣は何ですか?

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CA :見た目よりも「ロボットは何をすべきか」という役割の追求に集中したことだと思います。ルンバ開発当時、ロボットは人型であるべきという固定概念があり、それに囚われていました。その固定概念から自由になり、ロボット型掃除機の開発に専念できたのは良かったです。

JK:これからアイロボット社から何を期待できますか?

CA : 今日ロボット開発の足かせになっているのはインテリジェンスの欠如です。自動的に動くロボットは多く出てきましたが、次はいかにしてオーナーにとってより良い「パートナー」になれるかという点です。

JK:「パートナー」とは、具体的にはどういうことですか?

CA : 例えば誰かに掃除を頼む時、具体的にどこをどのように掃除して欲しいか会話が生じますよね。このような会話を出来るということです。そしてその家の様々な「ルール」を理解することも大事だと思います。

JK:「会話」とは、具体的にどうすれば良いでしょうか。

CA : 現在、オーナーとロボットとの会話はアプリを通して行われ、いつ、どこで、どのように、掃除がされるべきかコミュニケーション図れます。いずれは音声認識でのロボットとの会話を目指します。

JK: スマートホームではなく、これからの時代はMESH(Maintain:維持、Efficient:効率化、Secure:安全、Healthy:健康的)ホームというコンセプトだと本にも書かれています。これについて教えて下さい。

CA :現在のスマートホームは人々の生活を便利にすること、自動化に焦点をあてていると思います。MESHホームとは、そこで住む人を本質的に補助することを目的としています。自分で維持をし、省電力化等で効率化を図り、様々な危害から安全に守り、そして家族を育む為に健康的な環境を築くこと。ルンバ販売当初、我々はロボット型掃除機の必要性を提示し、皆さんがそれに気付くことで販売数を上げることができました。同様にMESHホームの必要性をちゃんとお伝え出来れば需要は確実にあります。イメージとしては、家の中を守ってくれる包括的なシステムです。

JK: MESHホームの製品はアイロボットからいつ出ますか?

CA : 既に一部MESHホームに向けた性能を兼ね備えた製品が出ています。最新のロボットは家のことを理解し、家の中にある他のデバイスと繋がります。例えばセキュリティシステムに繋げることによって、ロボットは掃除すべき時間帯を理解し、オーナーに逆提案をします。これから更にホームがより知性を持ちMESHホームに近づいて行きます。

JK: これからもアイロボット社の取り組みを楽しみにしています。

『「ルンバ」を作った男 コリン・アングル「共創力」』、現在絶賛発売中です!

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コリン・アングルさんの半生を世界で初めて描いた本書では、カリスマ経営者がどうやって生まれたのか、ルンバ誕生秘話、そしてコリンさんが描く未来が描かれています。経営者やエンジニア、ビジネスパーソンは勿論、是非色々な方々に手に取って頂きたいです。