お聞きの皆さん、在宅勤務をされていますか?現場に行かなくては仕事ができない!という職業の方も多くいらっしゃると思いますが...これまでのオフィスと、自宅の両方で仕事をすることがこれからのワークスタイル、仕事の仕方になりそうです。

そうなるとき、ホームオフィスにはどんな家具があることが望ましいのでしょう?これからのワークプレイス、仕事をする場のあり方はどうなるのでしょう?

今朝は、世界最大規模のオフィス家具メーカーのひとつ、スイスのヴィトラ社の日本法人社長、片居木亮さんにお話を伺います。

JK: 片居木さんが日本の代表をつとめるヴィトラ社はオフィス家具の提案をしている企業だそうですが、新型コロナウィルスの感染拡大にともない、自宅勤務を取り入れる企業が多くなりました。こうした状況を受けて、ヴィトラではどんな提案を企業になさっているのですか?オフィス家具の需要が減りそうですね...

片居木: COVID-19により、働き方と暮らし方が一変しました。それに伴い、オフィスと家の役割も変わり、双方に求められる機能はより近づいているように思います。家でも快適に仕事ができる環境が求められますし、家からも働ける状況でオフィスに求められる役割も必要性も変わってきています。オフィスや企業に対しては安全性、衛生管理に留まらない、さらにこの先に必要とされる新しいオフィス空間の提案をし、家に対しても働きやすい環境も含めた快適な環境と暮らしづくりを提案しています。従来よりさらにライフスタイルに踏み込んだ提案をするようになりました。

JK :これまでのオフィスと在宅勤務が半々になるとして、これからは家庭内でどんな仕事の環境が求められそうですか?

片居木 :自粛中、強制的に自宅で働かなくてはならなかった期間、家での環境が気になった人は多いと思いますが、書斎を作ろうとしても面積的、物理的に難しい家がほとんだと思います。家の中に働く環境を新しく生み出すというよりは、家族や子供と暮らす中で心地よく働く環境作りの提案をしていきたいと思っています。その一つとして、レンタル・サブスクリプションの試みがヴィトラの本社では始まりだしています。

急な生活様式の変化に伴い、家で働くためのオフィスチェアやデスク、長くなった家での時間のための質の良いソファを気軽に試すことができるヴィトラホームレンタルがドイツではスタートしました。

日本でも今年中のスタートを目指しています。ヴィトラは家具メーカーなので、一時期ではなくずっと使ってもらえる家具を作り、使い続けていただくことが大切です。本物を知っていただくため、長く使っていただくためのサブスクリプションと位置付けています。

JK:スイスを始め、海外でも在宅勤務が増えていると思います。海外では在宅勤務の増加によって、どんな椅子、テーブル、あるいは新しいタイプの家具への需要が増えていますか?具体的に。

片居木: 海外では在宅勤務が日本よりすでに普及していたこともあり、リモートワークの長期化を前提とした企業や政府のサポートが始まりだしています。また健康面への意識も高く、自宅に新しく働くための書斎をつくる、そのために本格的な電動デスクやオフィスチェアを自宅に入れるという傾向があります。

日本では居住空間の面積の差もあり、短期的な対策や、家族と過ごすリビングやダイニングを仕事もできるように整えるという方向に向いていると思います。