今朝は、目と耳の両方が不自由な方、 盲ろう者の方が使うコミュニケーションデバイスをご紹介します。名前は「Ubitone」。

あなた喋った言葉が、相手の指に装着されたデバイスによって伝えることができるそうなんですが、一体どういうことなんでしょうか??

この「Ubitone」を実用化、製品化するための法人組織、「Ubitone」を立ち上げた、山蔦栄太郎さんにこの後、お話を伺います。

JK 「Ubitone」を実用化、製品化するための法人組織、「Ubitone」を立ち上げた、 山蔦栄太郎さんにお電話がつながっています。 盲ろう者向けのコミュニケーションデバイス、「Ubitone」は、どのような仕組みになっているのですか?具体的に教えてくださいますか?指にはめるだけのデバイス?スマートフォンと連動?

山蔦:手に装着するグローブのような装置です。指点字という盲ろう者に使われているコミュニケーション方法がありますが、Ubitoneは音声やメッセージを指点字に変換して装着者である盲ろう者の指に伝達します。指点字を知らない人でも装置を通して盲ろう者とコミュニケーションを取ることが出来る様になります。

JK 指点字にする仕組みはどうなっているのですか?

山蔦: 手につけたUbitoneはbluetoothでスマートフォンとつながっている。スマートフォン側の独自の音声認識アプリが点字辞書を使用して、各指に装着するアクチュエータを通して、指点字形式に音声を翻訳してくれる仕組みです。

https://youtu.be/VdSoy5rSi-w

https://vimeo.com/ubitone/2020000

JK スマートフォンからリアルタイムで指に信号が送られるのですか?山蔦 一音一音から文字をとる方法では音声認識精度が低いので、ある程度まとまった文章を取得してから送信する様になっています。

JK 開発しようと思われたいきさつは?

山蔦: 皆さんにお話ししていると、そもそも「盲ろう」という言葉を知らない方も多いです。私もその一人でした。基本原理は単純なものですが、そこに問題があることに気づかなければ作ろうと思わないでしょう。私の場合は友達から盲ろう者の話を聞いたのがきっかけでした。ものを作れる人間として何かできることがあるはずだと思いました。音声認識の技術も進展してきて丁度アイデアを実現できる様になったタイミングであるとも言えます。

JK 音声認識の技術がどんどん向上しているので、精度が高くなってくると思いますが、今はまだ実用化には至っていないのですよね?

山蔦: 商品化という意味ではまだですが、 実際にゆびとんを使って盲ろう者の方と お話ししたり、町を歩いたりという検証はできています。ただ、デバイスとしてデザイン面や使用感の改善など最終製品として世に出せるものにするのに少し時間がかかっています。JK 実用化されるまでに求められること、課題はなんですか?

山蔦:ハードウェア開発の知識が中々手に入りにくいです。ソフトウェアはオープンソース化が進んでいる部分もありますが、ハードウェアはノウハウが会社から外に出て来づらいのか、人材も中々見つかりません。加えて、ハードウェア開発には費用がかかります。継続して製品のサポートを届けるためにもビジネスとして運用可能な設計にしなければいけないですね。

JK 大手エレクトロニクスメーカーの協力が欲しいですね!今後の展望についてお聞かせください。

山蔦: スマホやパソコンでは基本的に音声と画像だけでやり取りしていますが、触覚、嗅覚、味覚など、人間の感覚はもっと豊かです。ゆびとんは盲ろうの方のコミュニケーションにヒントを得ていますが、障がいを持たない方も含めて、人間の身体性をデジタル・バーチャルへ拡張するデバイスとして色々な可能性を模索していきたいと思っています。

https://ubitone.com/

盲ろう者のコミュニケーションデバイス、「ゆびとん」を開発する山蔦栄太郎さん、期待しています。