新型コロナウィルスの流行でテレワークが推奨され、ウェブ会議システムも多く使われる中、「Spatial(スペーシャル)」という、オンラインの仮想空間上でアバターを通してハイタッチや握手が出来るオンライン会議システムが開発されました。

バービー人形などを販売しているマテル社やアメリカの製薬会社ファイザー社が商品開発に実用しているというSpatial。どのようなサービスで、どのように使うのでしょうか。

社CPO(=Chief Product Officer最高製品責任者)であり共同創設者のイ・ジンハ (Jinha Lee)さんとコネクトします。

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JK Spatialはどのようなシステムですか?

JL 映画『キングスマン』に出てきましたホログラムオフィスをイメージして頂くと分かりやすいと思います。写真一枚からAIを使ってアバターを作り、ヘッドセットを使ってそのアバターを用いて遠隔で仮想空間にテレポートし、あたかも同僚の隣にいるような感覚を味わえます。

JK ヘッドセットを使って、上司や同僚と仮想空間での会議室で居合わせることができるということですか?

JL その通りです。ビデオ会議は一対一、一対大勢の場合は有効ですが、4−5名くらいの人数でテーブルを囲んで空間を共有しつつ会議をしたいような状況にSpatialは向いています。話者の方向から音声が聴こえるのも特徴です。

JK ハイタッチや握手ができるそうですね。

JL はい。私の母国韓国でもそうですが、日本でも挨拶時のジェスチャーは大切ですよね。着用するヘッドセットのセンサーで察知する手や指の動きがアバターに反映されます。ハイタッチした時の特別な視覚効果もあり、現実でするハイタッチよりも面白い仕掛けになっていますよ。専用のコントローラーを使用すれば触覚も感じることができますが、その点はこれからどんどん改良していきたいと考えています。

JK Spatial、どのような未來を想像していますか?

JL 現在は、例えばマテル社のような玩具会社が3Dモデルを仮想空間で提示し、世界中からフィードバックを得るため等のような場面で弊社サービスが使われています。また、コロナによるロックダウンで仲間と同じ空間を共有したいと考える中小企業や個人の方々にも使われています。今は主にミーティング支援システムとしてですが、将来的にはオフィス空間の代替となるようなサービス、ホログラムオフィスを目指したいと思っています。

JK レストランやエンターテイメント業界への適用等、無限の可能性がありますね。

JL 実際、様々な講義や小規模の音楽公演等、我々の予期していなかった使われ方をしています。今後とも幅広く活用方法を試案したいと思います。

Spatial社ホームページ