今朝はタンザニアとつながります。

さまざまなサブスクリプション=定額サービスがありますが、東アフリカのタンザニア共和国で始まったのは、エアコンをサブスクリプションによって利用するサービス。

手がけているのは、「Wassha(ワッシャ)」というベンチャー企業なんですが・・・人口およそ5700万人のタンザニアではエアコンは1パーセントほどしか普及していないそうです。しかも、せっかくエアコンがあっても、電気代が高額になるため 使われていないことも多いそう。

そこで、消費電力が小さく、電気代を節約できる日本のメーカーのエアコンを使用することで、より多くの人にエアコンのある暮らしを提供したいと事業を始めたのが、この「Wassha(ワッシャ)」というベンチャー企業です。

ここからは、実際にタンザニアでエアコンの事業を手がけているワッシャのAmos Fute(アモス・フテ)さんに事前にお話をうかがった内容をお届けします。

まずは先に、現在のタンザニアにおける新型コロナウィルスの感染状況についてお聞きしましょう。アモスさんはタンザニアの中心都市、ダルエスサラームに暮らしています。今、タンザニアではどのくらいの感染者がいるのでしょうか?

幸い、私はCOVID-19に感染していませんし、私が暮らす通りにも感染者は見られません。タンザニア全体では、今の時点で500を超す感染者が確認されています。600人には達していません。そして外を歩く際にはマスクをし、手洗いをします。抗菌剤を持ち歩く人もいます。みんなCOVID-19の怖さをよく認識して、とても気を付けています。

タンザニアは一年を通して気温が30度を超す日も多いとのことで、エアコンで室内環境を保つことはとても重要ですよね。そんなエアコンのサブスクリプションの仕組みについてお聞きしました。

お客さんは お店やストアはもちろん、個人の方も対象です。レンタル契約をすることになれば、設置料金と、保証金をお支払いいただきます。設置料金はアメリカドルにしておよそ43ドル。保証金はおよそ13ドルです。その上で、レンタル料には 日ごとに支払う1日プラン、一週間ごとに支払う1週間プラン、そして月ごとに支払うプラン、とあり、この中から選んでもらいます。1日の場合、レンタル料は1.2ドルですが、1週間のレンタルの場合、6、7ドル。一か月の場合、26ドルに設定しています。つまり、まとめて払う方がお得になる仕組みになっています。

タンザニアの人たちの平均月収を把握することは 難しいそうなんですが、アモスさんによると、政府や大きな組織に勤めている人たちの平均月収は100ドルほど。(ということは、日本円でおよそ1万2000円)今回、高性能な日本のダイキン工業のエアコンを使用する上で、妥当なレンタル料を算出したそうなんですが、これまでのエアコンですと、電気代が1日300円ほどかかっていたところ、ダイキンのエアコンの場合、電気代は1日だいたい150円に。プラス、サブスクリプションの利用料が1日およそ120円とすると、少しお得ということですね。気になるのが、支払いの方法です。支払いが延滞したり、問題はないのでしょうか?

料金は前払い制をとっています。お客さんは、自分の銀行口座、もしくは携帯電話を通して支払いをします。ワッシャが契約しているタンザニアに数千店舗展開している代理店や、「キオスク」のスタッフのスマートフォンに、料金を振り込んでもらいます。「キオスク」のスタッフのスマートフォンは、ワッシャがエアコンのためだけに提供しているもので、お客さんから入金があるとエアコンを使えるようにロック解除される仕組みになっています。一か月以上、料金が延滞するとエアコンを取り外しに行きます。

前払いの支払いが確認できたら、利用者の携帯電話、あるいはスマートフォンにパスワードが送られてきて、それをエアコンのリモコンに入力すると使えるようになっているんですね。このサブスクリプションによるエアコンの利用が普及するかどうか、実証実験をタンザニア最大の都市、ダルエスサラームを行ったそうです。ダルエスサラームは、経済成長のおかげで、よりよい暮らしを求めるゆとりのある層も増えていて、エアコンに対するニーズが高まっているそうで、実際に使ってみた人たちからの感想についてお聞きしました。

サブスクリプションを利用人たちはとっても喜んでいます。タンザニアの一般家庭にとってエアコンは買うには高価なものです。高性能のエアコンは800ドルほどします。タンザニアの人の平均月収が100ドルとするとたやすく手の届くものではありません。しかし、これまで実証実験を行ってきたダルエスサラームは一年中、気温が高く、エアコンを手軽に利用できるとあって、好評で喜びの電話をたくさんもらっています。

では最後に、今後の展望についてお聞きしました。

エアコンを レンタルによって使用するという考えを、さらに拡大したいと思っています。今は、ダルエスサラームという大都市だけで実証したわけですが、一年を通して暑いエリアに普及させたいんです。タンザニア以外にも、ナイジェリア、ケニア、ウガンダなどアフリカにはエアコンが求められている国はたくさんあります。

タンザニア共和国でエアコンをレンタルするというビジネスを展開するワッシャのアモス・フテさん、ありがとうございました。エアコンは家電の中でも取り付けとメンテナンスがとても重要で、せっかくいい性能のエアコンでも、取り付け方に不備があったり、メンテナンスが悪いと性能を発揮できないそうなんです。そのためダイキンはワッシャとともに現地でエアコンのアフターサービスもできるエンジニアの育成に力を入れているとのこと。つまり、アフリカにエアコンを普及させることで、エンジニアの雇用も生むということですね。