今朝は2月9日、アメリカ、ロサンゼルスのドルビーシアターで開催された第92回アカデミー賞授賞式を、ハリウッド外国人記者クラブの会員でゴールデングローブ賞への投票権をもつ日本人記者中島由紀子さんとともに振り返ります。
先のグラミー賞で主要部門を総なめにしたビリー・アイリッシュがパフォーマンスを披露したことも話題になりましたが、中島由紀子さんに印象に残った受賞映画、シーンについてお聞きします。
JK :中島さん、今年もよろしくお願いします。全体的な感想をお聞かせいただけますか?
中島: 思っていた以上に楽しみました。
JK :と言いますと、それほど期待はしていなかった?
中島 :ただ、現実は今までで最低の視聴率だったそうです。Eminem のサプライス出演とかに会場はかなり盛り上がってましたがテレビを見てる人まで届かなかったようです。全体を通しての印象は サプライズは韓国語のパラサイトがベストピクチャーに選ばれた事だけ。すべてが無難でした。ファイト・クラブあたりから頭角を現していたのにずっと演技で授賞できなかったブラピがやっと受賞できて良かった。あと言う事とやはりパラサイトの快挙でしょうか?
JK :アジア映画としてアカデミー賞の歴史の中で初となる作品受賞ですものね。「パラサイト 半地下の家族」はアメリカの記者の間でも話題になっていますか?
中島: 個人的印象は アカデミー賞の歴史を変えた作品と言うよりは変わろうとしてるアカデミーの流れにぴったりはまった秀作と言う感じです。すべての面でのダイバシーを唱えて変わる変わると口だけだったようなアカデミー賞の内部の努力が少しづつ膨らんで行ってる時に貧富の差‥地球規模でhave とhave not のギャップが拡大して行ってる時流に合致したと言う感じでしょうか。
JK :主演男優賞に『ジョーカー』のホアキン・フェニックス、主演女優賞に『ジュディ 虹の彼方に』 のレネー・ゼルウィガー、こうした役者さんの受賞は、順当ですか?
中島: 長い長い主演男女優賞受賞者のスピーチもちょっと違ってました。レネ・ゼルウィガーのスピーチは退屈でしたがホアン・フェニックスのエモーショナルなスピーチがリバーフィニックスに捧げているようでリバーが死んだ時に公衆電話から救急車を呼ぶ悲壮な声がテレビに流れたあの時のJoaquin を知ってる人には心に響くものでした。