今日 注目するのは、「スペシャルニーズマーク」。

スペシャルニーズマークというのは、国際シンボルマーク、いわゆる車いすマークやヘルプマークのように、当事者が自己開示のために身につけるシンボルマークとして制作しました。このマークを見たら、この人は何かしらの病気や障害がある人だなと一目で分かってもらいたいという思いが込められたものです。
きっかけは、近年、発達障害のお子様が行方不明になってしまったり、交通事故に巻き込まれてしまうっていう事故が発生したというニュースを目にするたびに私は心を痛めておりまして。で、ある時、私の友人の子供が行方不明になりました。
幸い大事には至らなかったんですけれど、川で遊んでいたということを聞きまして、もしスペシャルニーズマークがあって地域や社会での見守りができていたら、すぐに声をかけたり警察に連絡をしたり、事故は未然に防ぐことができて、小さな命を守ることができるのではないかという出来事がきっかけでした。
お話は、一般社団法人Special Needs Supportの代表理事、小林昌代さんです。小林さんは 難病を持つふたりの娘さんの母親ですが、ご友人のお子さんで発達障害のある方が行方不明になったことをきっかけにマークの必要性を強く感じた、ということなんですね。(でも、ご無事で本当によかったです)そして、完成したのが、スペシャルニーズマークです。
スペシャルニーズっていう言葉の出会いは、ヘラルボニーという障がい者アートの活動をしている団体さんがいらっしゃって、そのヘラルボニーさんの意見広告っていうのが出されたことがありまして、「この国の本当の障害は障害者という言葉だ」という意見広告が出されたことがありまして、本当にそうだよねって思いました。で、私が信頼している方の言葉で、世界では「スペシャルニーズ」という表現をしていて、それがみんなに浸透しているんだよっていうことを聞いたときに、その言葉ってすごくいい言葉だなと思ったので、この言葉を日本に広めていきたいと感じるようになりました。
スペシャルニーズとは、特別な支援、手助けが必要ですよ、という意味なんですね。スペシャルニーズマークは、白地の円形で、子どもが赤いハートを持っているデザインが描かれています。

実は、同じデザインで青地のマークもあって、こちらの名前は「サポーターマーク」。このマークには、「スペシャルニーズ、手助けが必要な方を、見守ってますよ、何かあったら声をかけてくださいね」そんな意味が込められています。

いずれも、デザインされたのは、小林さんのお兄さんでベルリン在住のアーティスト魚住哲宏さんです。
一般社団法人Special Needs Supportの代表理事、小林昌代さんに最後にうかがいました。今後のヴィジョン、どんなことを考えてらっしゃるのでしょうか?
私たちは、目に見えない障害や病気を抱える子どもたちが安心して暮らせる社会というものを目指しています。また、病気や障害のある子を授かった家族が孤独を感じることなく安心して子育てができるような社会を作りたいと考えています。
で、実際、これは私の話なんですけど、私のようにそういう障害のある子供が生まれた時に絶望感を感じるということがないように、生まれてきてくれた全ての子どもが誰からも祝福されるようにという思いで活動していきたいと思っています。
その中では、立場や状況の違いを強調するのではなくて、お互いを思い合って、一人一人のできることに目を向けて、足りない部分は自然に助け合う、そんなフラットで優しい世界を実現できたらいいなというふうに思っております。
「生まれてきてくれた子どもが誰からも祝福されるように」。そして、「足りない部分は自然に助けあう、フラットで優しい世界」。実現したいと強く思います。
スペシャルニーズマークやサポーターマークはインターネットでも購入できます。

