ジョン・カビラお届け中、JK RADIO TOKYO UNITED。ここからの時間は、「電話リレーサービス EYES ON THE FUTURE」このコーナー、毎月最終金曜日は、聴覚や発話(はつわ)=声を出すことに困難のある きこえない人と、きこえる人との電話を 通訳オペレータを介してつなぐ「電話リレーサービス」、こちらを使って、社会課題と向き合う皆さんにインタビューし、そのアクションを発信します。
今日お話をうかがうのは、横浜市青葉区で、お菓子のお店「めめ菓子工房」を営む伊藤ホサナさんです。伊藤さんご自身も、耳が聞こえない ろう者です。
では、伊藤さんに、電話リレーサービスの手話通訳オペレーターを介してお話をうかがいます。
~prprprpr「電話リレーサービスです。
耳のきこえない方などへ手話通訳を通してお電話します。双方のお話を全て通訳いたします。おつなぎしますので、少々お待ちください。」
電話をかけると、このようなアナウンスがあります。
まずは、伊藤さんのお店「めめ菓子工房」についてうかがいます。こちらは、どんなお店なのでしょうか?
はい、めめ菓子工房では、国産の体に優しい安心安全な素材を使って、和菓子と洋菓子を日々丁寧にお作りしています。どちらも手話というエッセンスを加え、めめ独自の世界観を表現する菓子工房兼店舗です。
「めめ菓子工房」のお菓子の中には、先ほどお話にもありました、手話というエッセンス、手話のモチーフを取り入れたものもあるということですが、具体的にこれはどのようなものなのでしょうか。
手話の形をモチーフにしたクッキーですとか、人気の商品のパッケージにも手話や目のモチーフを入れています。例えばクッキーなんですけれども、指文字の「めめ」、あるいは「ありがとう」という手話の形のクッキーを作っています。
それを見たお客様がそれに興味を持って話しかけてくださり、自然にお菓子がコミュニケーションのきっかけになっています。
お店の名前、「めめ菓子工房」というのは、どんな由来でつけた名前なのでしょうか?
手話は、目と目を合わせて会話をすることがとても大切です。
そして、その目を2つ並べて「めめ」と名付けました。見ることで広がる世界をお菓子を通して表現したい、という思いが込められています。
ちなみに、手話ができないお客さんとのコミュニケーションはどのようにして とってらっしゃるのでしょうか?
お客様に対しては、身振りや、それから指さし、筆談などを使って、できるだけ自然にやり取りしています。来られたお客様が、手話ができないから話しかけづらいという雰囲気にならないように、まずは目を合わせて笑顔で、そして、ろう者の挨拶である手をあげる動作をしてお客さんを迎える。そういった雰囲気づくりをいつも意識しています。
「めめ菓子工房」は、去年、実店舗をオープンされたそうですが、この1年で印象深いエピソード、シェアしていただけますでしょうか?
ある親子が来店されました。お子さんは幼稚園ぐらいの子だったんですけれども、私が手話で話しているのを見て興味を持って、「次に来るときに手話を覚えてこようね」という親子で会話をされていたようです。それがとても嬉しくて印象的でした。
最後になりますが、「めめ菓子工房」を通して伝えたい、未来のヴィジョンとはどのようなものなのでしょうか?
手話やろう者は特別なものではなく、日常生活の中、社会の中に当たり前に存在しています。めめ菓子工房も今後50年、100年とずっと残していきたいと思っています。
そのために、私の代で終わりにするのではなく、ろう者の雇用も含めて体制を現在作っているところです。材料をろう者が作ったこだわりの素材を全国から集めて、今後増やしていきたいと思っています。
はい。そのような思いが次の世代へと語り継がれ、そしてその中に手話が、まさにおっしゃったように、特別なものではなく日常の中に自然とあるという環境が広がればいいと祈っております。
伊藤さん、ありがとうございました。横浜市青葉区にある「めめ菓子工房」、店主の伊藤ホサナさんにお話をうかがいました。
お店の営業日や場所については、「めめ菓子工房」の公式ウェブサイトをご覧ください。ちなみに、お菓子は オンラインでも販売されています。この番組のXにも情報を掲載させていただきますので、クリックチェック、その先へお願いします。
そして、今回利用した「電話リレーサービス」。聞こえる人 つまり私と 伊藤さんとの電話の会話を、手話と音声で通訳していただきました。この様子を、動画に収録して「みるラジオ」として公開しています。こちらは電話リレーサービスの公式サイトでご覧いただけます。こちらもぜひチェックお願いします。
