アーティスト、クリエイターやそのスタッフを対象にしたメンタルケアのプロジェクト「B-side」。
今回は、アーティスト、クリエイターやそのスタッフを対象にしたメンタルケアのプロジェクト「B-side」に注目します。これは、ソニー・ミュージックエンタテインメントが立ち上げたプロジェクトで、
「B-side」の意味は、
「A-side(表に立つ自分)」だけでなく、
「B-side(素の自分)」もサポートしよう、ということ。
そしてB-sideのスタッフはずっとそばに=besideという英語にもかけたプロジェクト名となっています。
この「B-side」プロジェクト、スタートすることになったきっかけをソニー・ミュージックエンタテインメントの徳留愛理さんに教えていただきました。

「私自身が入社してからずっとアーティストのマネージャーという仕事に携わっているのですが、私の世代はまだ気合と根性でなんでも全部やる、みたいな価値観が残っていました。でも、いろいろなことが変化し、インターネットが出てきたり、ファンとアーティストの距離感も変わったりする中で、アーティストのメンタルのケアをマネージャーがすべて背負うっていうのはなかなか大変だと感じることもありました。そんな中で、アーティストも受けられるようなメンタルケアのシステムや、彼らのケアをする人たちをケアする仕組みが、点じゃなく面で存在した方がいいと思い、B-sideを作りました。」
2021年の9月にスタートした「B-side」プロジェクト。心身に不安がある場合、具体的には、臨床心理士や公認心理師による 面談でのカウンセリングを受けられるほか、スマホなどのアプリを使って、匿名で医師と相談することができるサービスもあります。
「カウンセリングと聞くとすごく辛いことがあって、何か解決したい時に行くっていうイメージが強いと思うし、それも有効なんですけど、普段使いとしても利用してほしい、と考えています。歯医者さんに行くときに、虫歯になってから行くより定期的に検診を受けていた方が、虫歯も早めに発見できますよね、という話をよくしているんですけど、メンタルも同じです。元気で余裕がある時に、かかりつけのお医者さんを見つけるように、相性のいいカウンセラーを見つけておいて、なんとなく定点観測してもらっておくと、何かあった時に、「あなたは普段こういう傾向がありますよ」というようなことを気づかせてもらうこともできます。友達や家族、同僚、先輩には逆に、心配させたくないとか、言いにくいこともあると思うんですよね。
なので、そういう、吐き出す場所、第3の場所というか、しがらみがないところに、自分の話を思う存分できる場所、自分を放つことができる場所を見つけておくのもいいんじゃないかなと思います。」
さらに、徳留さんは、こう続けます。
「こういうサポートのシステムもあります、ということを知ってもらうのがまずは1番大事かなと思っています。ひょっとしたらヘルプになるかもしれないものがありますよ、ということを知ってもらいたいです。
また、自分のことでなくても、周りの人でちょっと不調になっている人に対して、どういう声掛けをしたらいいのかわからないから教えてほしい、というような相談をしに行ったり、自分の大切な存在の人がちょっと困ってると気付いた時にも使えたりすると思うので、そういう風に使ってみてもらうのもいいんじゃないかなと思っています。」
この「B-side」プロジェクト、当初は、ソニーミュージックグループ各社とマネージメント契約のあるアーティスト、クリエイターなどと、そうした皆さんと直接仕事をするスタッフに向けたサービスでしたが、現在は、エンターテイメントに関わる他社でもB-sideのサービスが利用できるようになり、少しずつ幅を広げながら、プロジェクトを展開中です。
ポッドキャストやYouTubeでも情報を発信されていますのでそちらもぜひご覧ください。

