今日は、医療的ケアを必要としても、重い障害があっても、安心して育ち、暮らせる未来をつくりたいというヴィジョンのもと設立された、「すくすくハウス」についてお送りします。

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こちらは、 社会福祉法人ワーナーホームが運営する施設で、千葉県の柏市にあります。

ワーナーホームは、1981年、精神に障害のある方の居場所をつくろうと、地域に作業所をつくることから始まった団体です。そんなワーナーホームが、「すくすくハウス」を設立した理由はどんなことだったのでしょうか?「すくすくハウス」の統括施設長、大久保 夏樹さんに教えていただきました。

医療的ケアの必要なお子さんたちだとかそのご家族と地域で出会って、そういった方たちの居場所、通ってくる場所をつくろう、子育てをサポートできる仕組みをつくっていこうと伴走しながら来た中で、その子どもたち、かつては長く生きられなかった子供たちが医療の技術を借りながら大人になることができるような社会になってきて、ただ反面、大人になるということは、親御さんたちが、今までは自分が看取るつもりで子育てをしてきたのが、今度は親御さんたちも自分が高齢になっていく中で、子供たちをどうしたらいいのか、親亡きあとどうなるんだろうか、誰に託せばいいんだろうか、というところが大きな課題となってきまして、そういった不安を解消していこう、
また、特別支援学校に通っている間は子どもたちは手厚く教育を受けれる状況だったけれども、学校を卒業すると地域に放り出されるという感覚があって、地域に放り出されるか、あるいは親御さんが抱え込むしかないような状況だったので、地域の中でそういった大人になった医療的ケア児が過ごせる場所、できるならば働ける場所、社会とつながる場所を作っていこうっていうのが「すくすくハウス」の目指したところでした。

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医療的ケアが必要だったり、重い障害があるお子さんが 医療の技術によって、健やかに大人になることができるようになり、それはとても喜ばしいことなんだけれども、年齢を重ね、親御さんがいなくなったあと、どうすればいいのか?この課題を解決すべく、設立されたのが「すくすくハウス」、 なんですね。 (本来は、国だったり、公的な機関が整備すべきことだと思いますが、、、民間の力で課題を解決しようと活動されています。素晴らしいです)

2023年の7月に開設された「すくすくハウス」。現在は、どんな形で皆さんに利用されているのでしょうか?

すくすくハウスは、障害児、0歳から18歳までのお子さんたちが、医療的ケアが必要でも病気が重くても通ってくる場所があるということが1つです。
あわせて、大人になっても通うことができるということで、就労支援事業所と生活介護事業所を併設しております。で、その生活介護事業所というところでも、ただ介護される場ではなく、みんなが社会とつながって働くというようなことを目指しながら通ってこられるような通所事業所を持っています。また、通ってくるだけではなく、夜間の支援ですね。お母さんたちは常に24時間、お子さんたちのモニターだとか呼吸状態だとかを気にしながら生活されていますので、週のうち1晩でも2晩でもゆっくり休むことができるとか、同窓会に行ったことがない、というお母さんたちもいらっしゃいますので、少し安心して家族の代わりにあずかることができるっていう場所、泊まる場所ですね、短期入所と言いますが、そういった場所もあわせ持っております。

今のコメントを聞いても、本当に重要な、なくてはならない場所だと感じます、「すくすくハウス」。そして今、「すくすくハウス」が取り組んでいるのが「コミュニティ農園」のプロジェクトです。

今、私たちは、就労Bの皆さんや生活介護の皆さんと一緒に、みんなが作るコミュニティ農園といって、視線入力だとかスイッチとかですね、小さな動き、視線の動きだとか指の動きでスイッチを操作して水をまいたり土をかき混ぜたり、そういったことを仕事にして、その畑を地域の人たちに使ってもらおう。で、そこでできた農作物を地域の人たちと一緒に楽しんだりだとか、カフェも運営しているんですが、カフェで提供する商品にしたり、地域の循環を生み出すようなコミュニティを私たちの仕事にしたいと思っています。

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この農園「すくすくファーム」、畑で使う堆肥は、地域の皆さんにコンポストを作ることで参加してもらっているそうで、循環型、そして、持続可能な未来を作るプロジェクト、となっています。また、企業の方などは、この畑のプランターの応援制度があります。興味をお持ちになった方は、「すくすくファーム」にお問い合わせください。

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