今月16日は、世界の食料問題を考える日として国連が制定した日「世界食料デー」です。

そして、日本では、この日を中心に10月を「世界食料デー」月間として、飢餓や食料問題を解決するために行動することが呼びかけられています。
そこで今回は、「世界食料デー」月間の呼びかけ団体の一つ、認定NPO法人「ハンガー・フリー・ワールド」の西平久美子さんにお話をうかがいました。
まずは、世界の食をめぐる状況、特に、飢餓についてはどのような状況になっているのか、教えていただきました。
大きく言うと、コロナ禍の時以来から、かなり大きく変わってきているという傾向があります。コロナ禍までは、どちらかというと改善傾向にあったんですけれども、コロナ禍のところで、一気に物流の停止とか、経済の低迷ということが起きました。そこから飢餓である人たちの人口が急激に増加してしまった、ということがあります。そして、それがコロナ禍以前に回復する前に、ウクライナの紛争が起こってしまい状況が悪化した、ということがありました。
あとは、気候変動は以前からですけれどもずっと起こっていて、気候変動による異常気象による食料の不作も起こっているというところで、コロナ禍以前の水準までにはまだ回復していないというのが現状です。
飢餓については、コロナ禍までは改善傾向にあったものの、コロナ禍で悪化し、そこからまだ回復できていない、ということ。
ちなみに、飢餓、というのは、健康で活動的な生活を送るために十分なカロリーを長期間、慢性的に取れていない状況のことを指し、現状、世界でおよそ6億7300万人、世界の人口の12人にひとりが飢餓の状態にあると見られています。
このような状況に対して、起こしてほしいアクション。「世界食料デー」月間から、お聞きのあなたへのメッセージです。
まずは関心を持ってニュースを見てもらえればなと思っています。
いろんなことが本当に食につながっていますので、例えば紛争とか気候変動とか貧困、貿易の仕組みも関わってきています。で、いろんな人が解決しようとしているけれど難しいというのが現状です。食っていうのは仕組みなんですよね。例えば飢えている人は、その人が怠けているから飢えているわけではない。食の構造が彼らを飢えさせてしてしまっているということがあるので、一緒に考えて楽しみながら行動してくれる人が増えていくといいなと思っています。ぜひ、例えば「世界食料デー」月間の特設サイトでイベントも紹介していますので、ぜひご覧いただいて、継続的に考えて行動して、誰かと話して、ということを増やしていっていただければなという風に思っています。
*その人個人の行動によってではなく、世界の大きな動き、仕組みに影響されて、飢餓が発生してしまっている、ということ。西平さんのコメントにもありましたが、解決が難しい課題となっています。
でも、まずは関心を持つこと。そして、そのことを誰かと話してみること。ここがスタート、なんですよね。
そして、食の状況を知り、それに対してどんなアクションがあるのか、そのヒントとなるようなイベントが開催中です。タイトルは、まさに、「食べる」をサステナブルにするヒント展。
NPO、企業、自治体、国際機関など、さまざまな団体が「食べる」をサステナブルにするヒントをパネル展示しています。こちらは、明治学院大学 横浜キャンパスで16日(木)までの開催で、入場無料、事前の登録なども不要です。
そのほか、さまざまな取り組みが「世界食料デー」月間の公式ウェブサイトで紹介されています。こちらもぜひアクセスしてください。

お話は、「世界食料デー」月間の呼びかけ団体の一つ、認定NPO法人「ハンガー・フリー・ワールド」の西平久美子さんでした。
