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今月、10月は「食品ロス削減月間」です。今日は、この食品ロス、フードロス削減に取り組む特定非営利活動法人「栃木県こども応援なないろ」に注目します。

栃木県宇都宮市を拠点とする「なないろ」は、地域の企業、パン屋さんなどから消費期限が短いパンなどを集め、児童生徒に無料で食品を配る「学校内フードパントリー」、というアクションをおこなっています。

この活動を始めた理由はどんなことだったのか、団体の立ち上げのきっかけも含め、理事長の皆川純子さんに教えていただきました。

皆川さん:2021年の4月に私の息子、長男が高校に進学をしたんですけれども、私立高校で、学生服がすごく高額で、体操服と学生服とバックなど一式で20万円以上というような形で、すぐ下に年子で次男がいたので、2年連続20万円は厳しいなと思っていたら、ちょうどテレビで「リユース学生服のお店が全国に増えています」という放送をしていて、私のようなひとり親家庭の方のお役に立てるかなと思って、学生服のリユースのお店を2021年の8月に始めました。それで、近隣の小中学校の副校長先生などにご挨拶に行ったところ、「学生服も大切なんだけど、この学校でも給食でしかご飯が食べられない子供が何人もいるから食の支援も考えてほしい」と言われて、食は命に直結するのでそちらの方が急務かなというところで、食の支援がやりたくて立ち上げた団体になります。

皆川さんが個人事業として学生服のリユースのお店を立ち上げたところ、学校の先生の言葉で、食にまつわる課題に気づき、子どもたちへ 食の支援をおこないたい、ということで設立されたのが「栃木県こども応援なないろ」、なんですね。

「なないろ」は、2022年の5月から、地域の企業、パン屋さんから消費期限が短いパンなどを無償で提供してもらい、それを学校で配布する取り組み=「学校内フードパントリー」をスタート。

現在は、中学校7校、高校2校、大学5校、さらに専門学校でも「学校内フードパントリー」を開催しています。そしてこの活動、学生ボランティアの皆さんにも参加してもらっている、ということ。そのお一人、高校3年生のこだっちゃん。そして理事長の皆川さんに、この活動を行うなかで印象的だったことを 教えていただきました。

こだっちゃん:もらいに来てくれる学生さんたち、すごいみんな笑顔で友達と話しながら来てくれるので、この活動に参加してよかったなと思いつつ、我々がやっているその活動で、友人との輪が広がっているんじゃないかなと思っています。「うちの学校でやってるらしいよ」という話を友達にして、そこからその友達を話すきっかけになったり、もらった後に友達とSDGsの話をしながらパンを食べた経験がある、というお話を(参加した方から)聞いたことがあるので、友人間の輪は広がっているんじゃないかなという風に思います。

皆川さん:ある中学校で開催した時に、普段は先生方は外で待機していて、子どもたちだけが教室の中に入ってパンを選ぶ、という形になっているんですけれども、そこで1人の先生が「私のじゃないんです」と言いながらパンをもらっていて。で、それを他の先生が聞いたら、「不登校の生徒のお家に行くのにパンがあると行きやすい」というお話があって、そういったところでも活用していただけるのは本当に嬉しいなと思いました。

子どもの貧困の支援、そして、フードロスの削減に貢献。さらに、今お二人のコメントにあったように、「学校内フードパントリー」が開催されることで友達の輪が広がったり、さらに、先生の機転によって、不登校の生徒の支援にもつながっている。まさにグッドアクションですね。 

このアクション、他の地域でやってみたい、と思った方、「なないろ」では相談にものってくださるそうですので、公式ウェブサイトからお問い合わせください。また、活動については、インスタグラムでも発信されていますのでそちらもご覧ください。