この時間は【認定NPO法人 第3の家族】に注目していきます。団体が支援しているのは、支援制度から 取りこぼされる若年層...。団体の言葉を借りると「はざまの少年少女」です。

自宅や学校で、辛いことがある。だけど、公的支援を受ける対象ではない。辛いけど、声を上げにくい。社会に声が届きづらい...。

そんな 皆さんに向けたオンラインの掲示板「gedokun」を運営。つらい思いをしている同年代が集まれる「居場所支援」をおこないながら、大人が近づきすぎない...、「寄り添わない支援」を 続けています。実際に「gedokun」を見てみると...『父親さえいなければ』『先生って見て見ぬふりが上手いよね』、いろんな境遇のみなさんが、今の想いを匿名で投稿。誰かを傷つけたいわけじゃない。このモヤモヤを聞いてほしい。そんな声が集まって、その声に 共感や、応援する声が寄せられています。

詳しいお話を【第3の家族】、理事長の奥村春香さんに伺いました。

私たちがやってるコミュニティサイトの中には、支援員さんはいないんですね。悩んでる少年少女たちがいるんですけど、やっていることとしては、悩んでいる子たち同士で励まし合うような場所。みんなで『わかる』と『エール』っていうリアクションのボタンを押せるんですが、それぞれの悩みにエールを送り合ったりだとか、あとはAIで自動で『こういった支援があるよ』っていったことを提示したりしています。

きっかけというのが、私が大学生の時に中学生の弟が自殺で亡くなったことなんですけど、私たちの家庭は虐待というほどのしんどさではなかったのですが、でも結構家の中でいろんな生きづらさみたいなものがあって。そういった公的支援を受けるほどではないけど、しんどい子たちっていうのは多くいるのではないかなと考えて活動を始めています。

私自身も結構当時悩んだ時に自分の思いをSNSに投稿していたりしたので、そういった人たちが同じ場所に集まることができたら、1人じゃないって思えるのかなって思って、そういう場所を開設したら、本当に宣伝とかをしなくてもどんどん人が集まってくるような状態でしたね。

「大人は信用できない」「自分の境遇を『わかってくれる人』に届いてほしい」そんな声が寄せられる「gedokun」と合わせて、団体では 生きづらさを抱える若年層に向けた情報サイト「nigeruno」を展開。辛いときの相談先。考え方。事象への対応策 など、課題への「選択肢」を わかりやすく提示しています。

また団体では、(悲しいことに)自殺者が増えるという夏休み明け、8月31日から9月1日まで、オールナイトで配信企画を実施。寄り添い過ぎない。けど、生きる希望を与えたい。そんな想いが 多くの若者達に届いた時間でもあったといいます。

怒りもあれば悲しみもあれば、みんな現実社会では言えないことっていうのをまずは吐き出すっていうのが重要なのかなと考えていまして...、結構今の子たちってすごく自分を責めるんですね。親から何か言われたり、学校でいじめがあったりしても「自分が悪いから」って自分の内に内に溜め込んでしまって、それがふと自死だったり精神疾患だったり、そういったものに繋がってしまうので、そういったものを少しずつ外に流していく。ある種、そういう掃き溜めに...、良い意味での掃き溜めになれば良いなと思っています。私たちがやっていることは、すごい強い専門的な支援っていうわけではないんですけど、夏を乗り越えようとか、みんなが生きているから私も生きようとか、そういう生きる希望っていうのを作るために活動したいなと思っています。

少年少女たちが生きたいと思える社会を作りたいなとは思っていまして、今は、私たちのところに来る子たちは「大人になる前に死にたい」とか「もうしんどい」とか、そんな子たちが多くて。でも多分その子たちが生きている社会は、きっとそういう風な大人の世界があるので、そういった世界自体も変えていきたいなっていう風に思っています。なのでgedokunで目の前の少年少女たちを支えていくっていったこともしているのですが、社会側に少年少女たちの声を届けて変えていく、といったこともやっていきたいなと思っています。

いま、つらい思いをして生きづらさを感じている あなた。「gedokun」、そして「nigeruno」、ぜひ覗いてみてください。そこには明日につながる声が、アイディアが、詰まっています。