ジョン・カビラお届け中。JK RADIO TOKYO UNITED。
ここからの時間は「電話リレーサービス EYES ON THE FUTURE」。
このコーナー、12月までの毎月最終金曜日は、聴覚や発話、声を出すことに困難のある聞こえない人と聞こえる人との電話を、通訳オペレーターを介してつなぐ「電話リレーサービス」を使います。
社会課題と向き合う団体の皆さんのアクションを、電話リレーサービスでのインタビューを通して発信いたします。
今日お話を伺うのは、耳が聞こえない聾者の親を持つ聞こえる子供「コーダ」とその家族を支援する団体【WP コーダ子育て支援】の湯山洋子さんです。

湯山さんご本人も耳が聞こえない、聴覚に障害がある聾者です。
電話リレーサービスで私の声を手話に通訳して、湯山さんに伝えていただきます。
それでは、電話してみましょう。
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電話リレーサービスです。耳の聞こえない方などへ手話通訳を通してお電話します。
双方のお話を全て通訳いたします。お繋ぎしますので、少々お待ちください。
...電話をかけると、このようなアナウンスがあります。
では、湯山さんと電話リレーサービスの手話通訳オペレーターを介してお話を伺いましょう。
●まず伺いたいのは、団体が支援されているご家族の課題です。
一般的な子育てとの違いについて伺います。
これは、家庭の中でのコミュニケーションのあり方。
これがまず大きく異なりそうですね。
→そうです。コーダは聾者の親を持ちますので、コミュニケーションの面で一般の家庭とは異なります。
手話や音声筆談など、コミュニケーション方法は様々です。
誰かを呼ぶときには、肩をトントンと叩いたり、手を振ったり、電気をつけたり消したりして知らせます。
自宅では、トイレや各部屋のドアはいつも開けておきます。ドアが閉まっていると、中にいることの合図になります。
家庭で身についた生活様式が、聞こえる社会では違っていて戸惑う場面もあり、そういった課題を解決しようと、聞こえない親やコーダを支援しています。
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●保護者、子どもたち、この困難な部分は双方にありそうですね。
→親側の困難からお話します。音声中心の社会ですから、聞こえない親は情報が耳から自然に入ってこない。情報格差があります。
2点目は、公的な支援が足りていないということです。
3点目は、親が聞こえないことを分かった上で、どのように関わったら良いのかの知識が十分ではない。学校と家庭との連携が不足するため、どうしたら子どもを守れるかなど、壁があります。
次に、子ども側の困難ですが、社会的な誤解があります。
メディアによる「コーダは手話ができる」というイメージや、親が聞こえないことで「大変だね」「頑張っているね」「親を守ってあげて」など、周囲からの特別視があります。
それから、心理的な負担です。
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●この課題と向き合い、支えていらっしゃるのが【WP コーダ子育て支援】の皆さんということなんですが、具体的な取り組み、これはどのようなものがあるのでしょうか。
→活動としては、コーダについての理解を深めてもらおうと、教育機関などへパンフレット配布しています。
悩みを持つ親が都度自分たちのことを何度も説明をするのは労力もかかりますし、個々に説明することが「個人の問題」や「わがまま」ととられることがあったので、共通の問題であることを理解してもらおうとパンフレットを作成しました。これまで全国に5000部以上配布しています。
(また、)聞こえない親が交流する場も提供しています。
以前は対面式でしたが、コロナ禍以降はオンラインでも開催しています。
そして、コーダ同士のつながりを作るため、親が交流する時にコーダが交流する場も設け、共感できる仲間づくりの場を提供しています。
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●では、最後になりますが、こうした皆さんが起こしていらっしゃるこのアクション、その先に見つめている未来のビジョンとは何でしょうか、教えてください。
→一般的には、子どもは親から守られるということが当たり前ですよね。
コーダの場合は、子どもが親を守るということがあり、それが負担になっています。
コーダも子どもらしく、年相応に親から守られる存在として育つことができる社会に変えていきたいと頑張っています。
また、聞こえない親が安心して子育てできる環境づくりのため、公的支援制度の設立や、医療関係者・教育機関の理解や連携強化による体制づくりを目標に、実現を願って活動を続けています。
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色々学ぶことができました。
それぞれの負担を軽減することができる社会、これが目標だと思います。
この時間は【WP コーダ子育て支援】の湯山洋子さんにお話をいただきました。湯山さん、ありがとうございました。
今回利用した電話リレーサービスは、聞こえる人、つまり私と湯山さんの電話を手話と音声で通訳してくれました。これが電話リレーサービスです。
この様子を動画に収録して「見るラジオ」として公開しております。
電話リレーサービスの公式Webサイトからご覧いただけます。
ぜひ【WP コーダ子育て支援】の活動と合わせて、あなたもチェックお願いいたします。