先月。6月12日の「児童労働反対世界デー」に合わせて国際労働機関と ユニセフが、世界の児童労働に関する推計を発表しました。

そこで発表された 最新の児童労働者数は、1億3800万人。世界中の子どもたちの 8%にあたる数字です。

4年前より2200万人 減少はしたものの、社会で考えていかないといけない課題であることがあらためて浮き彫りになった発表でした。

そうした児童労働の解決に向けて、1997年から活動をしている日本のNPOが、今日注目する団体、ACEです。

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ガーナの農村地域を中心に、児童労働の撤廃に向けた支援を続けています。

代表の岩附由香さん。ガーナ政府と協力して国内の児童労働をゼロにしようと活動をしていますが現地の皆さんの意識改革の必要性を実感しているといいます。

児童労働の問題はガーナ政府としても児童労働撤廃の行動計画を作っているので課題として政府も認識して取り組んでいます。ただ、じゃあ村で働いてる人たちが同じような課題意識を持っているかって言われると、そうでもないので「そうか、言われてみるとこれは児童労働なんだ」っていうことがあると思います。ただ、子どもたちに話を聞くと、やっぱり本当は学校に行きたいんだっていう子もいるんですけれども、でもそれと同じぐらい、自分たちの家族をなんとか養わなきゃ、役に立ちたいっていう気持ちを持っている子たちも多いので、そういう子どもたちの気持ちが矛盾しないような形で、親も納得して学校に行かせられるっていうことができるとベストだなと思っています。

「家族を支えるために、働かないといけない。」と考える子どもたち。彼らを安心させるためにも、家族を支えるためにも、意識の改革と、子どもたちが居ない分を補填できる収入が必要、ですよね。

そこでACEでは、児童労働が最も多い産業、農業部門で、農園の経営を改善し 農家の収入向上を目指す「スマイル・ガーナ プロジェクト」を展開。

さらに、毎日の食卓の支えと、収入源としての可能性も広げるため、お米づくりの訓練もスタート。地域全体で、児童労働ゼロに向けた取り組みを加速させています。

そして、今月です。ニューヨークでおこなわれる国連の会合で、児童労働に関するサイドイベントをACEがコーディネートすることになりました。

児童労働は世界の課題なんですけれども、今世界でも紛争が起きたり、トランプ政権が援助を突然止めたり、もういろんなことが起きていて、もうみんなの意識がなかなかこの課題に向かないっていうのが大きな課題だと思っています。そこで、ACEは初めてなんですけれども、国連の場でこの課題がきちんと取り上げられるようにとセッションを今企画しています。今目下その準備でバタバタなんですけれども、なかなかそういう機会がないとこういう課題を感じている人だったり、自分で取り組んでる人たちがつながって、経験共有をして「ああ、なかなか大変だけど、これからもうちょっと頑張っていこう」って思える機会が限られてしまっているので、そういう意味では、その国連の会議に来ている政府の人たちも、それからNGOの人たちも、そして今回のセッションには企業の方も参加いただくんですけども、そういういろんなセクターの人がその場に来て、一緒にこの課題について、これまで何をしてきて、どううまくいって、これからを多くの人たちと意識を合わせてこの課題に取り組んでいくことをお互いに励まし合いながらやっていけたらと思っています。

2030年までの国際目標、SDG's。17ある目標のひとつに児童労働に関する達成目標がありましたが、今年、、、2025年が「児童労働を世界からなくす年」として掲げられた年でした。

2030年に向けて達成するには、今の11倍のスピードが必要と、冒頭ご紹介した推計データでは報告されています。社会、企業、そして私達にできること、、、ぜひACEのウェブサイトで、そのヒント、捉えてください。

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また、現在クラウドファンディングで「児童労働ゼロへ。全ての子どもが遊び、学び、未来を自由に描ける世界を」...というプロジェクトを立ち上げ、支援を募っています。こちらも合わせてチェック、お願いします。

認定NPO法人ACE