今日は、【一般財団法人 日本財団電話リレーサービス】、こちらのサービスと、携わる皆さんの想いに 注目していきます。
電話リレーサービス...、聞いたことはありますか?これは、聴覚や発話に困難がある人と、聞こえる人との電話。通常だと、難しいですよね。
この二人の間に通訳オペレータが入り、手話または文字と、音声を通訳することで、きこえない人と聞こえる人が電話で繋がることができるサービス、なんですね。
詳しいお話を、電話リレーサービス上村麻子さんに伺いました。
きこえない人は、スマートフォンやタブレット、パソコンと、あとはインターネットにそのデバイスが接続できる環境があれば、「電話リレーサービス」のアプリを通して、使うことができる。聞こえる側は、特段何も準備は要りません。聞こえない人が持っている050から始まる電話リレーサービスの番号さえ知っていれば、ご自分の電話から、いつもと同じように電話をかけたり受けたりすることができます。
電話リレーサービスを今使ってる方に、それ以前の話を割とお聞きすることがあるんですけど、1番驚いたのはレストランとか旅行に行って宿泊施設に予約をしたいって思った時に、そこがオンラインで予約ができなかったら、日帰りで行けるところなら、1度そこに行って、予約をしに行っていたっていう話を聞いて、とても驚いたことを記憶しています。あと象徴的なご意見としては、電話リレーサービスを使うようになって「生活の中で走ることがなくなりました」って言われたことは、割と印象的でした。この走らなくなりましたっていう背景なんですけど、例えば電車が遅延したり、会社からちょっと出るのが少しだけ遅れて、待ち合わせに5分だけ遅れちゃうっていう時に、電話で「すいません、何時に予約した上村ですけど、5分遅れそうなんですけど」って電話、私もよく使うんですけど、電話が使えなかった時代はそれができなかったから、間に合うように走ることがとても多かったっていう風に聞いています。
2020年に制度化された 電話リレーサービス。聞こえない人は アプリを使って発信。受け手には、通常の電話と同様の着信があります。このとき、「050」から始まる 聞こえない人が持っている電話リレーサービスの番号が表示されます。
こちらに応答すると 通訳オペレータからこんな案内があるんですね。「こちらは電話リレーサービスです。耳の聞こえない方などからのお電話を通訳しております。双方のお話を全て通訳いたします。よろしくお願いします。」
ここから、通訳オペーレータが聞こえない人、発話に困難がある人の言葉を「声に通訳」をしてくれるんですね。
会話の内容は正確に。そして、相手の話しぶりや雰囲気を見て「いま相手の方は 涙声になっています」「困っているようです。」手話の表現で「心からの謝罪をしています」と言葉尻だけじゃない言葉の通訳も 心がけているといいます。
お話を聞いた時に印象的だったものは、暮らしの幅が広がったっておっしゃった方はおられました。例えば、すごく人気のパティスリーに興味があって、いつかあそこのケーキ食べてみたいなって思ってるけど、売り切れてることが多くって。でも電話をかければ、今日まだどういうケーキが余っているかとか、あそこに在庫があるかとか、そういったことを自分で主体的に電話をして、実際知らない人にアクセスして、自分の世界を広げていくっていうことが今はできるようになったから、行動範囲がとても広くなりましたっておっしゃられた方もおられました。聞こえる人にはなんとなくイメージしていただきたいなって思ってるのは、今まで電話っていうのは音声っていうイメージがすごい強かったと思うんですけれども、そこのバリアーが取れて、電話は音声同士とは限らない、電話の世界自体が広がってるってことを知っていただけると、少し発想とかイメージが変わっていくかなって思ってます。
このコーナー、来月から月に1度、この【電話リレーサービス】を実際に使ってグッドアクションをおこなう きこえない皆さんに取材。その模様を この時間に 発信していきます。
そして、この【電話リレーサービス】について。より詳しい情報は オフィシャルサイトをチェックしてください。聞こえる人も、きこえない人も、つながっていきましょう。