今日は、「すべての人を包み込む社会」を目指して活動している【NPO法人ダイバーシティサッカー協会】に注目します。
ホームレス状態やうつ、引きこもり、依存症からの回復など、社会的に孤立しやすい立場にある人たちに、サッカーを通じて居場所を届けている「ダイバーシティサッカー協会」。
独自のサッカーリーグ「ダイバーシティリーグ」、そして年に一度の大会「ダイバーシティカップ」を展開しています。
イベントには毎年150から200名の「選手たち」が集まります。サッカーが得意な人も、苦手な人も、みんながそれぞれのかたちで、社会とつながろうとしています。団体の代表理事、鈴木直文さんに詳しく伺いました。

サッカーである必要はもしかしたらないかもしれないんですけれども、好きなことっていうこと、どんな状況にあっても自分が好きで楽しめることっていうことを、それができるということが人生を豊かにしてくれるはずで、それはお金があるとか仕事があるとか、そういうことがなくても、どんな状況にあってもそれがあるべきだという風に考えていて。なのでサッカーは、1つはそういう自分の好きなものに目いっぱい取り組んでほしいっていう、そういう対象としてサッカーをやっています。
もちろん、点を取り合って勝ち負けが決まってっていうことを楽しむっていう要素はありながら、それよりも大事なことというのは、やっぱり自由な表現を楽しんでいるのをお互いに見て、お互いにあの人楽しそうでいいなって思えるとか、そういう場が私たちのやっているそのダイバーシティリーグだと思っていて。印象的だったのは「こんなに比較をしないサッカーは初めて」「こんなに比較をしないスポーツは初めてです」っていう風に参加者の方に言っていただいたんですよね。どうしても自分はあの人より上手か上手じゃないかとか、うまくプレーできてないから邪魔になってるんじゃないかとか、そういう引け目を感じてしまうっていうのはスポーツの現場で多くの方が経験したことあるんじゃないかと思うんですけど、そういうことをやる必要がないっていうのが、うちの現場の1つの特徴みたいで。そういうものが、意外とですね、多くの方に求めてもらってるっていうことなのかなっていう風に思ってます。
参加をして、人と、社会とつながることが目的のサッカー。世界中でこうしたムーブメントが広がっています。2003年からは毎年、ホームレス状態を経験した人たちによる国際大会「ホームレス・ワールドカップ」も開催されており、日本も昨年、実に13年ぶりの出場を果たしました。今年の大会は、8月にノルウェー・オスロで開催予定です。
現在、日本代表のワールドカップ出場に向けたクラウドファンディングが6月いっぱいまで実施されています。
「ホームレス」という言葉は、日本では主に"路上生活者"を指すことが多いですが、世界的には少し異なります。たとえば、屋根のある場所に寝泊まりしていても、それが一時的な施設であったり、スラム街のような劣悪な環境で暮らしていたりする場合も、「ホームレス」に含まれます。
私たちは今回の再チャレンジにあたって、こうした広い意味でのホームレスという概念を日本でも共有したいと考えています。
つまり、路上生活をしていなくても、さまざまな理由で安定した住居を得られていない人たちがたくさんいるという現実を、多くの方に知ってもらいたいのです。
この考え方をもとに、私たちはホームレス支援団体だけでなく、若者支援団体や難民支援団体などとも連携し、それぞれが取り組んでいる社会課題についても、私たちの活動を通じて広く知っていただけるように努めています。
クラウドファンディングも、単なる資金集めではなく、こうした課題の存在や私たちの活動の意義を発信する機会と捉えています。
見えにくい「住まいの不安定さ」にも、目を向けてみる。支援と共感の輪を広げる、その第一歩が、ワールドカップの舞台、なんですね。
現在公開中のクラウドファンディング、「ホームレスW杯出場へ!仲間外れを生まないスポーツの居場所を広げたい」ネクストゴール達成に向けて、支援を呼びかけています。ぜひサイトをチェックしてください。
そして、「ダイバーシティサッカーに参加してみたい。」と感じた方。オフィシャルサイトから問い合わせも可能です。クリック、チェック、その先で、つながってください。

