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今日注目するのは【NPO法人バードリサーチ】の活動です。全国各地で鳥類の個体数・分布の調査をおこない、鳥を通して 日本の自然環境の変化を捉え、発信している バードリサーチ。設立からおよそ20年。その長年の調査から、鳥たちの暮らしにも少しずつ変化が現れてきていることがわかってきた、そうなんですね。そのひとつに、ツバメの生態変化があります。

なかでも、この季節に見かけるツバメ。20年前と比べて その数が4割近くも減少しているといいます。バードリサーチの研究員、神山和夫さんに詳しいお話をうかがいました。

減っている原因っていうのは、1つは街中で巣作りできる場所が減ってきているということがあります。古いビルにはツバメの巣があるんですけれども、昔の建築に比べて巣が作りにくい。壁がツルツルになったり。あと巣を作られると糞が落ちたりして、衛生問題とかそういうことを気にする方が多くなってきているので、その巣を落としてしまったりとかいうことが割と起きているようなんですね。それから天敵のカラスが増えていること。それからもう1つ大きいのは、餌の虫が減ってるということがあります。ツバメがいる場所っていうのは、ツバメの餌になる虫がいて、虫が集まる植物があって、花が咲いて、そういうような小さな自然環境がそこにあるんだと思うんですね。ツバメっていうのは子育てをしてる時は、巣から大体半径200メートルぐらいで虫を取って、雛に1300回ぐらい虫を運んでいます。そういう小さな自然があれば、ツバメというのは生きていける鳥ですし、それは私たち人間にとっても、町の中にツバメが生きていけるぐらいの自然が残っているっていうことが大事だと思うんですね。ツバメっていうのは、私たちの暮らしの自然の豊かさの物差しになっているんだろうと思っています。

ツバメとの共生。自然と都市がともに在り続けるために私たちはどんなことができるのか。。。

ツバメとの共生社会をめざして団体では ツバメのフンによる汚れを防ぐ「ツバメのフン受け」を 駅やサービスエリアなど希望する施設に配布。さらにツバメの巣をカラスから守る「ヒモ張り」の普及活動にも取り組んでいます。

そして先日からは、これらの取り組みの発展、誰もがツバメの子育てを見守れる優しい社会を目指して、「ツバメの子育てを守る活動2025」と題したクラウドファンディングをスタートされました。

私たちがツバメの保護活動をしているようなところって、ツバメのカラス避けをつけて、カラスに巣が取られないようにして。そうすると必ず雛が大きく育って、親が道を運んできて、そうなってくると、通りを行く人たちは必ず立ち止まって見るようになりますし、特に小さなお子さんを連れているお父さんとかお母さんがツバメを指差して、「ほら、ツバメがいるよ」って子どもに教えている様子っていうのはとてもよく見かけます。そういうところで初めて子どもっていうのは自然の生き物っていうのに触れる機会にもなると思うんですね。そういう身近な野生動物っていうのは双眼鏡がなくても見られるし、子どもが初めて生き物を体験する時にもとても大事な鳥じゃないかと思います。ツバメとの協同の良いモデルっていうものがSNSなんかで皆さんがツバメの写真を撮って広めてもらえることで、こんな風にして受け入れて仲良くしてあげるといいんだっていうことが他の人にも伝わって、それでこういう活動の輪が広がって、もっと人がツバメに寛容になっていってくれると良いなという風に願っています。

ツバメを温かく見守る心は、その街の景観、そして空気を、少しやさしく変えてくれるかもしれません。

クラウドファンディング「ツバメの子育てを守る活動2025」へ

【NPO法人バードリサーチ