今日は、足立区綾瀬で去年から運営がスタートした【ハレノヒおとなこども食堂】の取り組みに注目していきます。
団体が支援するのは、『大きな音に過度に反応してしまう。』『集団が苦手。』...といった 発達の偏りの指摘を受け、学校やフリースクールに行くことができない子どもたちと、その保護者の方々です。
この課題を 家庭と学校だけの問題ではなく、社会で解決していこう。と看護師、理学療法士などの専門家。そして 地域ボランティアの皆さんが一丸となって居場所支援、そして こども食堂の運営をおこなっています。団体の代表、鈴木沙恵子さんに活動を始めたキッカケについて お聞きしました。
私も子ども2人をずっとシングルマザーとして育ててきたんですけれども、小学1年生の頃に2人とも学校に行くことができなくて、不登校の親という体験を私自身にしました。地域で利用できるサービスがないと感じたし、なかなかそこから先、学校もすごく頑張ってくれているし、区の職員さんたちも頑張ってくださっているけれども、うちの子が利用できるものってフリースクールしかなかったという現状があります。今のこの時代でも、10年前と比較しても、やはりうちの子が今小学校1年生だったら利用できるものがあるかと言った時に、やっぱり利用できるものがないかもしれない。それは集団に入ることにすごく恐怖心があったから。なので、地域に無料で利用できて、そして発達の偏りをすごくトレーニングしてもらえる、そういった場所が欲しいなと思ったことが活動を始めたきっかけです。
小学1年生から中学3年生までの来院してくる子どもたち、一人ひとりに向き合いながら人、社会とつながる感覚を育んでいく 居場所支援活動。無人の部屋での対面から、徐々に集団参加に移行していく練習を積み重ねていきます。その先に得られるのは、成長に不可欠な「成功体験」です。
居場所支援に1度でも来た子で、2度、3度来られなかった子が1人も昨年いませんでした。まず、ここに来るまではすごくハードルが高く、来させるまでにはすごく時間がかかるんですけれども、その先来れているっていうことが結果としておそらく行ける場所があれば行きたい、友達が欲しい、うまくいく体験をして褒められたい。これはどんな心の状態のお子さんでもそうだと思っているので、とにかく来られるようにする。そこが大事だと思っています。
不登校児が年々増えていると言われている中で、学校の先生だけが登校支援頑張るんじゃなくて、地域の人たちで子どもたちを支えようという動きはすごくボランティア団体さんも現在増えていると思います。同時に、発達がまだまだ年齢相応に追いついていない未発達の子どもたち、発達の偏りがあると言われているお子さんたちもすごく多くいるので、医療者の地域で・無料で支援していくっていうことが身近になっていくといいなと思っております。我々のしている活動が地域にもっともっと増えていって、医療者も子どもの就学っていうところに...、不登校、就学っていうところに全力で支えていく姿勢がもっともっと持てるといいのかなと感じております。
社会との繋がりを諦めない。街全体で子どもたちを見守る社会を目指す【ハレノヒおとなこども食堂】。居場所支援のより詳しい取り組みと こども食堂の開催日時などはぜひウェブサイトをご覧になってください。