1月1日で、能登半島地震の発生から1年を迎えました。そこで今朝は、能登で子どもたちを対象とした 居場所支援をおこなうNPO法人 Chance For Allに注目します。
2013年の発足から 足立区や墨田区を中心に子どもたちの居場所支援を続けてきたChance For All。去年の能登の震災をキッカケに、平時でも、災害時でも子どもたちが安心できる 居場所づくりの支援に乗り出しました。
現在、奥能登・輪島市を拠点に子どもたちの居場所...、遊び場を展開する川合福太郎さん に、能登の遊び場の"現状"について お話を伺いました。
少しずつ子どもたちの居場所、もともといた居場所というのは復活しつつあるところではあるんですけれども、避難所を思い浮かべていただければわかりやすいかなと思うんですが、主に学校の体育館、学童、保育所、幼稚園など、そういった元々子どもたちが生活をしていた場所、遊び場としていた場所というところが避難所になっていくということで、子どもたちからすると、災害が起きると普段の日常が失われると同時に自分たちが過ごしていた場所も失われるというような現状があるわけです。それから、今はそういった避難所から仮設住宅に子どもたち移っているという状況ではあるんですが、仮設住宅ってどういう場所に建っているかと言いますと、学校の校庭でしたり公園でしたり運動場を潰して仮設住宅にして、貴重な平地がどんどん仮設住宅になっている。今も子どもたちに"代わりの遊び場"は特に用意されていないという状況の中で、本当に思いっきり遊べる場所というのが失われているんですね。仮設住宅というのは建ったら基本的に2年以上は遊び場として戻ってくることはないということで、本当に毎日の遊び場がこれからも不足し続けていくという状況が見えている中、その課題に向き合っていこうということで、これからも継続して遊び場というのをやっていこうと考えております。
去年の春から夏休みを経て、ようやく住民の皆さんの暮らしが整い始めた中での、9月の豪雨災害。未だに災害の爪痕が残る中、子どもたちが安心して過ごせる場所の確保はどうしても後回しになってしまう...。そこで団体では「プレイカー」、という特別な車両を用意。子どもたちの心をリフレッシュさせてくれるようなレクリエーションを、各地で展開しています。
私たち、様々な場所を遊び場にするという活動をしておりまして、移動しながら遊び場を展開できる専用の車、プレイカーを用いて活動しております。プレイカーは中に遊び道具をたくさん詰め込んで、車で各地を回りながらその場所を遊び場にしていく。例えば、公園に行って、その車を真ん中に置いて、そこからブレイキットを車の中から出して、車の上から滑り台で滑れるようにしたりとかして、そこを遊び場にしていく。あるいは、公民館や仮設住宅、避難所にプレーカーを持っていけば室内の遊び場になるというように、子どもたちがたくさん遊べるように、思いっきり体を動かせる遊びや、あるいはゆったりと子どもたちが過ごせるような遊び、それから世代を超えて楽しめるような昔遊びだったりとか、そういったものを様々な場所に持っていって、その場所を遊び場にする活動をしております。
プレイカー、そして Chance For Allが生み出す子どもたちの笑顔...。そこで生まれる笑い声は 街の空気を変えてくれる、と川合さんは続けます。
保護者の方からもたくさん嬉しい声をいただけるんですけれども「子どもたちが安心して遊ぶ場所が1つでもあるというのがまずすごく助かる、嬉しい」という言葉をたくさんいただきます。それから「地域の中で子どもたちの元気な声が聞こえるっていうだけですごく希望を感じるんです」というような声もたくさんいただきます。被災直後は特に、笑って良いのかどうか、大人がすごく悩むということもあったんですけれども、子どもたちが元気に遊んだり笑ったりする声を聞いて、「ああ、笑ってもいいんだと思えた」という大人の方の声がすごくたくさん聞こえました。常に、どの街でもそうだと思うんですけれども、子どもたちが元気に遊んでいる、そういう声が響くっていう街づくりをしていくことで、街の人たちも希望を感じることができるんじゃないかなと感じています。
子どもたち、そして街に笑顔を生み出すChance For All。現在、クラウドファンディングサービス「READYFOR」でお話にあったプレイカーの運用資金を募るクラウドファンディングを実施中です。クリック、チェック、その先の笑顔に 繋がってください。
