今朝は、タイのバンコクで音楽を通した教育支援をおこなう【NPO法人 シャイン・フォー・ユー】の取り組みに注目します。団体の理事長を務めるのは、タイで音楽家として活動する加古川成子さん。現地の音楽支援やスラム街でのチャリティー活動を続けているなか、バンコク最大のスラム地区「クロントゥーイ」で活動する子どもたちを中心としたオーケストラ「イマヌエルオーケストラ」と出会いました。

スラムがあるということは知っていましたし、そこに寄付をしたりとかっていう活動はしていたんですけれども、オーケストラがあるって聞いた時は私も驚いたんです。プロの方たちと一緒に演奏しているスラムの子供たちの姿を見たときに、震えるような感動を覚えたんですね。バンコクのスラム街というのは貧しいだけではなくて、貧しいが故にドラッグの温床の地でもあるわけですね。犯罪も多いですし、差別もあります。そんな中で、もしかしたらストリートチルドレンがゴミを拾って生活の糧にするとか、そういうことになるかもしれないという可能性の子どもたちが名曲を奏でているっていうことが、私にはもう本当に感動そのものだったんで、このオーケストラを支援したいなと思った瞬間でした。

こうした出会いから「イマヌエルオーケストラ」へ楽器の提供や、教育支援がスタート。彼らの活動を追いかけるようになり、「音楽が笑顔を生み出す瞬間」や「ドラックや差別と無縁の関係が生まれる瞬間」に何度も立ち会って来られました。加古川さん。今後はスラムだけではなく、タイ全体に向けて人をつなぐ音楽教育を加速させたいと語ります。

私の2人の子どもをタイの学校に通わせた時に気づいたことがあって。私は小さい時からグランドピアノが学校にあったんですね。音楽の授業があったんですね。それが当たり前だったんですけれどもタイの学校には音楽の教科書がない、音楽の授業がなかったんですね。それは一般的に、全国としてそうなんですね。大学附属の高校、中学とか、そういうところで音楽に力を入れるところは最近あるよっていうのは聞いているんですけれども、ほぼタイの学校ではまだ音楽の授業がなされていないということで、そのお手伝いがしたいなと思っています。それを日本のNPOとタイの財団と協力のもとで、日本の音楽家の方をタイに送ったり、そしてタイの音楽家の方たちを日本に視察に連れていったりとか、できる限り、私の残りの人生を音楽教育の普及につなげていきたいなと思っています。

音楽を通して関わる人すべてを笑顔にしてきた イマヌエルオーケストラ。この10月、初めてとなる来日公演ツアーがスタートします。

東京公演は、10月19日(木曜日)、日本福音ルーテル東京教会でコンサートがおこなわれます。どんなコンサートになるんでしょうか...。楽しみです。子どもたちが奏でる音色、ぜひお楽しみいただきたいと思います。

NPO法人 シャイン・フォー・ユー