今朝は、鹿児島県肝属郡錦江町で活動する【NPO法人たがやす】に注目します。町の東側は肝属山地、西側は鹿児島湾に面していてとても自然豊かな土地ですが、2060年には人口が現在の2割ほど、、、1700人台にまで減少すると考えられています。
「大好きな錦江町を未来に残したい。」
その想いを胸に 去年から活動を始めた「たがやす」の皆さん。農業と福祉を連動させた 人を繋いでいく仕組みの構築や、居場所支援をおこなっているのですが、その一環として、廃校を利用した図書館の運営を始めました。詳しいお話を、代表理事の馬場みなみさんに伺いました。
錦江町にある旧神川中学校というところを活用して民営の図書館を運営させていただいているんですが、元々「たがやす」を立ち上げて何をしていこうかっていう時に、元々私が今の図書館と同名の『本と一筆』という小さな読書会をしていまして。そこが「本を通して自分を表現することの楽しさ」だったり、「本を通して人とつながることの喜び」みたいなものを皆さんと共有したいと思って始めたイベントで。運営させていただいている『本と一筆』も本棚オーナーさんという棚を貸し出しておりまして、その棚に、棚を借りてくださった方が自分の本を置いて、その本が図書館に来た人が誰でも借りられるっていう仕組みの図書館なんですけれども。その本を通して、「この人はこういうのが好きなんだ」とか、本を通して、棚を通してその人のことを知れるっていう図書館の仕組みがイベントとすごく重なって。イベントだけじゃなくて、図書館のような空間も作ってみたいなと思って図書館を作ってみたという感じになります。
本は人を繋いでくれる。そんな馬場さんの体験から、民間の図書館運営に乗り出した「たがやす」の皆さん。学校の図書室をそのまま「みんなの図書館・本と一筆」としてオープンすると、昔から街で暮らす皆さんには懐かしく、子どもたちには昭和レトロなスポットして話題を呼び、自然と人が集まってきたといいます。本棚オーナーも 思い思いの本を図書館に持ち寄り、すべての本を合わせると1000冊を超える蔵書になりました。
本を介して人と街を繋ぐ「本と一筆」ですが、SNSとは異なる「自己表現の場」としても、重要な役割を担っているといいます。
一人一人の表現だったり、人の表現する機会をちゃんと受け止められる場というか、、、受け入れられる場があるのはすごく今重要だなと感じていて。それぞれ皆さんいろんな場所、職業で一生懸命働いて暮らしていく中で、ちょっとこう、、、「希望がない」だったりとか「生きづらい」っていうことも感じる人も増えてきているのかもしれないと今は思っていて。なんかそういう中で、その人が表現したい方法で表現できる場があるっていうのは、「こういう風に自分がいてもいいんだ」とか、今の子どもたちがリアルな場所で表現できる、、、それを受け入れてもらえる人だったり場所があるっていうのは、すごくその子どもたちにとってもちょっとだけ勇気を与えられるじゃないかなと思っているので、そうした場であり続けたいなと思っていますね。
街だけではなく、人に元気を与えてくれる「みんなの図書館・本と一筆」。今では 街の方以外にも、遠方から足を伸ばして来館される方も増えてきたと言います。開館日やイベントなどは、【みんなの図書館・本と一筆】のインスタグラムをご覧ください。