今朝は、日常的な医療ケアを必要とする子どもたち、その家族を支援する【NPO法人 にこり】の活動に注目します。

北九州を中心に 子どもたち向けの訪問看護、居場所・相談支援をおこなう【にこり】。大切にしているのは、「お出かけしたい」「みんなと遊びたい」そんな当たり前が難しい子どもたちや 家族の願いに寄り添うことです。団体の理事長、松丸実奈さん、荒木俊介さんにお話を伺いました。

松)例えば、医療が必要な子どもたちがお家に帰った後に、喉に穴を開けて呼吸をするような人工呼吸器って言われる機械だとか、いろんな機械とともに成長していっているんですけど、そういった子どもたちとかでも普通にみんなと同じ生活ができるように、子どもとしての当たり前に楽しいとか新しい経験したいとかいうことを生活できるようにサポートしているチームです。

荒)私たちは医療とか福祉のサービスで携わっていますが、結局その子たちが地域で生きていくためには、室内だけじゃなくて積極的に地域に馴染むっていうことと、お母さんたちにも外に出る時に1人で外出できたりとか、そういったことを一緒に取り組むことで、地域で普通に生きてきて、地域共生社会というか、そういったことにつながれば良いっていうところが1つの観点ではあります。

その想いから、これまで難しいと思われていた海水浴を実施したり、商店街では みんなが参加できるイベントを開催してきました。呼吸器や点滴が必要でも、みんな一緒に遊んで、触れ合うことができ...。商店街という 当たり前の空間に、いつもよりたくさんの笑顔が生まれたといいます。

お母さんたちというか、周りの今までの常識的には、「この子たちはずっとベッドで寝てるもんだ」っていう意識もあっただろうし、「普通の子どもが望むことは望めないんだ」っていう考えでずっといたんだと思いますので、そこのマインドチェンジをしないといけないかなっていうことはありますけどね。実際に、周りのサポートがあって、それで環境が整えばできないことはないわけで。できることは広がりますんで、そういった、啓発じゃないですけど、考え方を一緒に変えていくっていうのは大事かなと思います。

松)そもそもできないって決めていたのは誰なんだろう...っていう。医療が必要な子に生まれたら、もうずっとベッドで過ごすって思っていた多くの人たちがいて。「いや、やってみようよ」「できるよ」っていう。ただそれを一緒にしてきただけなので。誰も気がついてなかっただけで、本当はできる力がみんなにあるんだろうなっていう風に思ったりします。

子どもたちと家族の「やってみたい」を「当たり前」にする 松丸さんと荒木さん。この活動を通して家族内だけではなく街全体・日本全国の意識を変えていきたい、と松丸さんは続けます。

この話を聞いている人の中にいろんなお父さんお母さんがいるかもしれないし、そのお父さんお母さんの子どもたちは健康に生まれているかもしれないし、特に食べるものに困ってないかもしれない。でも、自分たちの子どもと、明日食べるものがない子どもたちとか、病気を抱えている子どもたちと、自分たちの子どもって、同じ未来を歩くわけじゃないですか。私たち大人はいつか先に死んじゃうけど、子どもたちは私たちがいない未来を歩いていくから、やっぱり自分の子どもだけじゃなくて、自分の子どもが歩く未来を支えるみたいなことって、私たち大人の1つ役割なのかなって思ったりします。

NPO法人 にこり】の理事長、松丸実奈さん荒木俊介さん。お話、ありがとうございました。【にこり】ですが、子どもたちの当たり前を作り続けるため、寄付を募っています。想いに共感してくださった皆さん、ぜひ団体のウェブサイトをご覧ください。

20230623k01.pngNPO法人 にこり