今朝は、ユニバーサルデザインのビーチ、「ユニバーサルビーチ」を全国に広げて、みんなで海を楽しもう!...そんな提案をおこなう【NPO法人 須磨ユニバーサルビーチプロジェクト】に注目します。

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詳しいお話を 団体の代表理事、木戸俊介さんに伺いました。

須磨ユニバーサルビーチプロジェクトと言いまして、ビーチマットっていうカーペットみたいな道を作るアイテムと、水陸両用車椅子を使って、アイテムとアイデアと人のサポートで、みんなで安全に安心して海に入るっていう活動を続けています。一つのきっかけは僕自身が8年前に車椅子になって、それまでは海水浴をするっていうのは当たり前の生活やったんですけど、 それが砂浜の手前で遠くに波を見るってことしかできなくなったのが、自分のきっかけとしては大きくて。僕がリハビリをしにオーストラリアに行った時に、ビーチマットと水陸両用車椅子を使って海に入るっていう活動を見て、これはもう絶対日本で、それこそ海に入れなくなった方とか入ったことがない方に一緒に入れたら楽しいなと思って、活動を始めました。

2017年から神戸市須磨区を拠点に活動を始めた木戸さん。ビーチマットと 水陸両用の車椅子を活用することで障がいがあっても、年齢を重ねても、日本の海でもサポートがあれば誰でも海水浴が楽しめる仕組みを整えました。

僕がビーチマットを敷いてアクセスできるようになるっていう直接的な良いところもありますけど、教育的側面もあると思っていて。象徴的な話が1つあるのが、それこそ神戸で活動しているので、神戸市役所の方と話に行った時に、「いや、木戸さん。海には車椅子の方はほとんどいないですよ」っていう風に言われたことがあって。そもそも海で遊ぶ障がい者、海で遊ぶ車椅子ユーザーっていう絵が皆さんやっぱ浮かばなくて。健常者の方とか子どもたちとかって、ビーチマットを見つけて、「あ、確かに車椅子の人ってビーチ行けへんのや」って気づくっていうのがよくあります。そういう意味で、 今まで何も思ってなかった健常者の方とか周りの方にも影響ってあるのかなっていうのは思っています。

「障がいがあると、海に入れない。」これまでの固定概念を壊して、新しい選択肢を提示してくれた須磨ユニバーサルビーチプロジェクト。今では全国9つの地域で 兄弟プロジェクトがスタートし、ユニバーサルビーチのアイディアが日本各地に広がってきています。

日本って海に囲まれた国で、どこでも結構チャレンジできる場はあるはずなんですよね。で、海に入れると、例えば初めて海に入った子って海が冷たくて泣いちゃう子とかもいるんですけど、その何分か後に浮いてすやすや寝ている子とかもいて。そういう今まで未知のものだったけど、チャレンジして、「あ、なんかできた」っていう経験で成功体験になって、次はあれやりたい、次はこれやりたいっていうチャレンジにつながっていくっていうのが、僕が思ってる信念で。「できない」を「できた!」に変えるっていうのが僕らの合言葉で。きっかけ作りをするのが僕らの仕事だと思っています。だから、海に入るっていうのが僕が経験したことやったんで、まずはそこからみんなにしてもらいたいな、知ってもらいたいなと思ってやっています。

好奇心のその先に、新しい好奇心を生み出す!素晴らしい!将来、日本全国1000を超える海水浴場すべてをユニバーサルビーチに変えていきたい、ともお話されていました。団体では全国各地で講習会を開催しています。新規申込み受付中です。みんなが楽しめるビーチ、お住まいの地域で...自治体にお務めの皆さんや 当事者、そのサポートをされている皆さん、ぜひサイトへアクセスして、団体と繋がってください。

NPO法人 須磨ユニバーサルビーチプロジェクト】代表理事、木戸俊介さん、お話ありがとうございました。